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「私の一票ではどうせ変わらない」ことについて
政治って?選挙とは

 先月盛岡で行われた青年代表者会議の討論で、「政治」と「選挙」について議論がされた。このことについて考えてみたい。
 政治の目的は何だろう。筆者はすぐに、「最大多数の最大幸福」と言う言葉を想起します。この言葉は、イギリスの哲学者ベンサムが、「功利主義」との関連で論じたとされている。しかし、私は「より多くの人のためのより大きな幸せ」と理解したい。つまり、一〇〇人中一〇〇人全ての人が、より幸福になることを保障するのは無理かもしれない、が少なくとも、政治はそのことを「目指す」ということだ。問題は政治家が、本当に国民多数のために政治をしているのか。目指されているのか。少数のためのものになっていないかだ。
 難しい言葉は使わなくても、政治とは、ようは税金の「取られ方」と「使われ方」である、と換言できないだろうか。取られ方も重要だが、使われ方はもっと問題で、それを知るためには勉強が必要だし、時には参加することも必要だろう。
 現行の選挙制度は小選挙区制(=1選挙区で一人しか当選できない仕組み、衆議院選挙)となっており、多様な意見が切り捨てられる制度になっている。しかも都市部では、今や半分ぐらいの人が投票に行かない状況になっており、今や「無党派」が最大勢力となっているのだ。したがって、組織票を持っているところが当選してしまうのだ。無党派の人たちが動けば、必ず政治は今と違ったかたちになるはずだ。また、政党・候補者を選ぶ際に「消去法」で選ぶことも必要だと思う。全く自分と同じ考えの人などいるはずがないのだから。棄権は「白紙委任」したことになるし、ニヒリズムからは何も生まれない。
 最近、政治学者・山口二郎氏著『若者のための政治マニュアル』(講談社現代新書)を読んだ。その中、「権利を使わない人は政治家からも無視される」の章は、魯迅の有名な言葉で結ばれている。
 「希望とは、……地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(阿Q正伝・狂人日記)
 選挙とは、私たちの未来を決めていくことなのだろう。

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