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定期大会

再び戦争へ導く「戦争法案」廃案平和憲法守りぬこう
特別決議

 安倍自公政権は、昨年7月1日に強行した集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を踏まえて、通常国会の会期を9月まで大幅延長して「平和安全法制整備法」を成立させようとしています。
 今回の「平和安全法制整備法」は、自衛隊が「いつでも、どこでも、切れ目無く」他国の戦争に介入し、武力を行使できるようにするものであり、「戦争法案」と言わざるを得ません。
 戦争法案の狙いは、第1にいつでも、どこでも、どんな戦争にでも、あらゆる形で、自衛隊がアメリカの戦争に後方支援の名目で武器・弾薬・燃料等の輸送・補充ができるようにすること、第2に、放っておくと「我が国の存立が脅かされる」と判断した場合には、アメリカと他国との戦争へ武力行使を伴って加担できるようにすること、第3に、日常的に米軍や場合によってはオーストラリア軍と共同で、アジア太平洋地域をパトロールし、情報収集、警戒監視を行ったりできるよう、そうした共同監視、訓練時に、米艦等が攻撃された場合には、自衛隊も応戦できるようにする、ということです。
 今回の戦争法案は、戦後70年続いた平和な日本の安全保障政策を180度転換させようとする歴史的暴挙であり、断じて許すことはできません。さらに許すことができないのは、戦争法案の国会提出前にアメリカ議会で法案成立を約束し、日米ガイドラインの変更協議で、実質的に法律をつくろうとしていることです。
 戦争法案はまさに、憲法9条を無視し、「海外で戦争する国」を実現することにあり、日本国憲法や国際法にも違反しており、法案の撤回を強く求めます。
 かつて日本軍国主義は、アジア諸国を侵略し、2000万人もの尊い人命を奪い、同時に日本国民も戦闘や空襲、原爆によって多くの命と平和な暮らしを失いました。その反省の上に立って日本国民は平和憲法を掲げ、今日まで守ってきました。
 日本赤十字社に働くたくさんの先輩が従軍看護婦などとして駆り出され、青春を戦争に捧げ、白衣を血に染め、いのちを戦地に埋めてきました。
 私たちはこうした歴史に学び、国民の医療を守る運動と平和を守る運動を両輪にして闘ってきました。
 1999年「周辺事態法(戦争協力法)」採決時には、全日赤と日赤本社との団体交渉で、本社は「赤十字に関する諸条約及び赤十字国際会議において決定された諸原則の精神に則り、赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的としており、傷病者の救護についても、赤十字の基本原則に沿って日本赤十字社として必要な対応を行うこととしている」、「傷病兵を受け入れることはありうる」、「戦争はあらゆる努力を払って阻止すべきもの」との見解を示しました。また、2003年「武力攻撃事態対処法」成立の時には、団体交渉で本社は「赤十字の諸条約および赤十字国際会議(1965年)で決定された諸原則に則り、日赤として必要な対応を行う。従来通りICRC(赤十字国際委員会)からの要請で難民救済として行くことはある」と回答しています。2015年6月の団体交渉でも本社は、「今までのスタンスと変わりない」と回答しました。
 国民のいのちと健康を守るべき私たち赤十字労働者は、いのちを奪う戦争を絶対に許すことは出来ません。
 日本赤十字社は、第二次世界大戦後、軍隊を持たない国の赤十字として赤十字国際組織への復帰が認められました。この歴史の上に立って私たちは、アメリカの戦争に組み込まれるための「戦争法案」を廃案にし、平和憲法を守り、「ふたたび白衣を戦場の血で汚さない」反戦と平和のためにさらに大きな運動を繰り広げます。

以上決議します。
2015年7月13日
全日本赤十字労働組合連合会第70回定期全国大会

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