■全日赤第67回定期全国大会 大会宣言
全日赤は、第67回定期全国大会を7月7日から9日の3日間、静岡県伊東市において、代議員・オブザーバー・役員等134名の参加で開催し、活発な討論を経て満場一致で2012年度運動方針を確立し、新役員を選出しました。
自公連立政権から政権交代を果たした民主党政権は、自公政権と変わらず国民の願いにそむく本質をさらけ出しています。震災からの復興が進まず、東京電力福島第一原発事故はいまだに収束の目途がたっていません。事故原因の究明もなされていないのに、原発ゼロを願う多くの国民を無視し、大飯原発再稼働を強行しました。また、震災からの復興や財源問題を口実に「社会保障と税の一体改革」と称して、保育から医療・年金制度、社会保障全般の切り捨てと消費税大増税で、国民への負担を更に強めようとしています。労働者・国民の生活を破壊する悪政に怒りは強まっています。憲法が生かされ、いのちが大切にされる政治への転換を実現する共同の運動の中心に労働組合が立つことが求められています。
全日赤にとって組織拡大は最重要課題のひとつと位置付けて、多くの単組が大会まで意識的かつ日常的に拡大に取り組み、3月には早期退職者が例年にも増して多かったにもかかわらず、2年連続して増勢で定期大会を迎えることができました。大会では、新歓をはじめとする組合員拡大の工夫や教訓がいきいきと語られ、その発言から学んで拡大行動に生かしたい決意もあり、この勢いで一気に全日赤7000名を達成し、早期に8000名の峰をめざして全力で奮闘します。
パワーハラスメントが後を絶たず、メンタルを病んで休職者がいる、あるいは知らないうちに退職をしてしまったなどの発言が多くありました。津久井単組では団交で防止策を要求し、施設側にパワハラ対策を立てさせました。労働組合として団交を通じて施設の安全配慮義務を追及し、パワハラ対策を確立して再発防止を監視することが必要です。
看護師不足を補完するかたちで、また看護補助加算が算定されるようになったことも誘因となり、看護助手の働き方が大きく変えられている実態が浮き彫りになりました。看護助手が夜勤に組み込まれ、これまで看護師が行ってきた食事介助や入浴介助を看護助手の看護業務援助として、派遣や臨時などで増員までして看護助手に担わせています。私たちは、営利最優先の経営をやめさせ、看護・介護業務が患者にとって安全で安心なものになるよう追求していきます。
2011年6月に厚労省から出された「5局長通知」では、「看護師等の労働条件の改善なくして日本の医療は守れない」と提言しています。夜勤は極めて過酷で有害な業務です。誰もが働き続けられる夜勤規制の実現、さらに、年配の看護師が体をいたわって働けるような夜勤制限の配慮も必要です。
やめない職場づくりに必要な労働条件改善は、「休みが取れること・賃金の改善・時間外労働の削減」という職場世論です。賃金確定闘争はこれからですが、日赤職員の生活実態と労働実態に見合った賃上げを強く求めていきます。そして賃金闘争の中に公務員攻撃を持ち込ませないことも大事です。
私たちはこの間の運動の成果と教訓のうえにたち、今こそ労働組合の存在意義をアピールし、運動と世論を形成して、いのちと暮らしが大切にされる社会と、豊かな人間関係が築かれた働き続けられる職場をつくるため、全組合員の団結を追求しながら、全力で奮闘します。
以上宣言します。
2012年7月9日
全日本赤十字労働組合連
合会第67回定期全国大会
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