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定期大会

全日赤第61回定期全国大会 大会宣言

 全日赤は七月九日〜一一日、結成六〇周年を記念する歴史的大会を千葉県一宮町で開催し、代議員・オブザーバー・役員など一五三名が参加し、満場一致で二〇〇六年度運動方針を決定し新役員体制を確立しました。また、二日目の議事終了後には、来賓・OBの出席もいただいて、「結成六〇周年祝賀会」を行いました。
 本大会は、「構造改革」によって国民生活がズタズタにされ、「新自由主義」「格差社会」への批判が強まりつつある情勢の下で開催しました。
 小泉政権の五年間は、社会保障改悪の連続であり、先月閉幕した第一六四国会では、「医療改悪法」「行政改革推進法」が成立させられました。これらの狙いは、「官から民へ」と大企業に新たな儲け先を提供し、「小さな政府」と言いながら、国民には大きな負担を押しつけることにあります。「混合診療」の拡大は、保険証で誰でも病院にかかれるという、日本の医療の土台・国民皆保険制度を壊すもので、この全面解禁を求めているのは日米の経済界です。その代表的人物の一人が、ルールを破って暴走した「村上ファンド」の黒幕であり、オリックス会長、規制改革・民間開放推進会議議長の宮内義彦氏です。彼らは自らの利益のために、国の政治や社会までもゆがめているのです。
 しかし、「耐震強度偽装事件」に象徴されるように、公共サービスを後退させ、営利中心の民間に参入させることに対し、国民の不安はますます高まっています。また、「教育基本法改悪法案」「共謀罪法案」「国民投票法案」が継続審議となっています。「米軍再編」や「靖国神社参拝」問題とあわせて、狙いは「海外で戦争する国」「弱肉強食の経済社会」づくりに従う人間の育成にあることは明らかです。
 〇六年度は、勤務評定・「査定昇給」導入に反対するたたかいが正念場を迎えます。そもそも成果主義における「評価」は、本質的に主観的・恣意的なものにならざるを得ず、差別と分断の賃金体系により人間関係は破壊され、仕事をもねじ曲げるものです。安全・安心の医療・福祉職場を毀損するものであり、断じて日赤の職場に入れさせてはなりません。
 労働組合との合意なしに、勤務評定試行を強行した日赤本社に対しては、施設経営者からも批判の声が上がっています。「国家」ではなく、「国民」により添う赤十字にするためにも、日本赤十字社の民主化がどうしても必要です。それには私たちがもっと力を持たなければなりません。
 日赤労働者は第二次世界大戦後、いち早く労働組合を結成しました。一九四五年一二月に日赤中央病院従業員組合ができ、越冬資金や給食要員解雇撤回を要求、軍人管理者の退陣も要求し全国各地にオルグを派遣。組合結成の動きは全国に広がり、ついに一九四六年三月一〇日、全日赤は誕生しました。それから六〇年の間、病院スト・ニッパチ闘争・ナースウェーブなど、医療産別の歴史の画期をなすたたかいの中心には全日赤があり、諸先輩たちはそれらの先頭に立ってたたかって来られました。そのため全日赤は、政府や経営者からの執拗な弾圧を受け、不幸にも二度に渡る組織分裂も経験しました。私たちは、改めて先人たちの労苦に思いをはせ、新たな運動をつくるために全力をあげる決意を固め合いました。
 職場を基礎に、広く地域住民との協同を広げ、この秋に日本医労連が提起する看護師をはじめとする医療労働者の大幅増員闘争の前進をめざし大いに奮闘します。査定昇給の導入を阻止するとともに、日赤労働者の統一と団結を展望し、強大な全日赤をつくるために全力をあげてたたかいます。
  以上、宣言します。

 二〇〇六年七月一一日
全日赤第六一回定期全国大会

 

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