■全日赤第60回定期全国大会 大会宣言
全日赤は七月一五日〜一七日、愛知県豊橋市において代議員・オブザーバー・役員など一五九名の参加のもと第六○回定期全国大会を開催しました。大会は活発な討論を繰り広げ、満場一致で二○○五年度運動方針を決定し、新役員体制を確立しました。また、二日目の議事終了後には、『日赤9条の会』発足を記念して講演会とレセプションを行いました。
参加者からの発言では、患者・労働者をめぐるきびしい職場実態、組合員や職員の力を結集した地道なたたかい、単組間の連帯・激励交流の前進が数多く報告されました。そして要求をしっかりと把握し、その実現をめざし、諦めずにねばり強くたたかうことの大切さが多くの代議員から語られました。また、青年のいきいきとした発言が参加者を励ましました。
人件費削減を柱とする経営効率優先の施設運営方針のなか、現在どこの施設でも職場は慢性的人手不足を要因とする長時間過密労働で一層過酷さを増しています。私たちは医療事故を防ぎ、働くものの健康を守り、そして医療労働者としての働きがいを充実させるためにも大幅増員は緊急の課題であることを確認し、この秋に日本医労連が提起する看護師をはじめとする医療労働者の大幅増員闘争の前進をめざし大いに奮闘します。
この秋、賃金制度をめぐり、かつてないきびしい攻撃が予測されています。八月に予定されている人事院勧告では、一律五%〜七%の賃金引下げ、定期昇給廃止にかわる査定昇給制度や一時金勤勉手当への査定導入など成果主義賃金につながる勤務評定強化の動きが企図されています。働くものに競争を強いる成果主義は、なにものにも代えることのできない人のいのちに日々向き合い、チームワークを基本とする医療・福祉の職場に相容れるものではありません。私たちは今後さらに学習を深め、問題の本質をしっかり見極めて不当な攻撃にはストライキも含め毅然とたたかう決意を固め合いました。
日本の医療・社会保障制度は、小泉自公政権によって日増しに改悪が進んでいます。アメリカや財界の要請に応えて「規制緩和」、「民間への市場開放」が声高に叫ばれ、医療・福祉が金儲けの対象にされています。暮らしを直撃する大増税計画も企まれています。また、日赤本社による中央集権、各施設への統制が年々強まるなかで、労働組合の交渉権をはじめとする基本的権利が切り崩されようとしています。さらに国民保護法のなかで、日赤が再び戦争に協力を強いられる事態にもなりかねません。こうしたきびしい情勢は、その一方で私たちのたたかいの飛躍的前進への可能性を内在しています。労働組合の真価が問われる時代を迎えつつある今、職場を基礎に、広く地域住民との協同を広げ大いに奮闘します。
私たちは、先輩たちが築いてきた土台の上に、これからもいっそう安全安心な医療・福祉を確立し、患者・利用者の人権、働くものの生活と権利を守るため、統一闘争の前進をめざします。結成六○周年の記念となる来年夏の大会を史上最大の組織数で迎えることができるよう、すべての単組が力を合わせて組織拡大強化の運動を全力でとりくみます。
憲法改悪への動きが強まるなか、日本は今、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないよう」一人ひとりの国民が声をあげるべき時を迎えています。私たちも歴史に学び、二度と白衣を戦場の血で汚さない決意をもって『9条の会』への賛同者を増やすことをはじめ、職場・地域で平和憲法を守る運動の前進と広がりをめざし、大いに力を発揮しようではありませんか。
右、宣言します。
二○○五年七月一七日
全日赤第六○回定期全国大会
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