■全日赤第59回定期全国大会 大会宣言
全日赤は、第五九回定期全国大会を八月二七日から二九日までの三日間、静岡県伊豆市で開催し、代議員、傍聴者、役員など一六〇名の参加で活発な討論を行なった。
今大会は、年金改悪や自衛隊が海外で武器をもって軍隊として活動するという悪政のもと、政府・財界によって消費税の増税、医療・介護保険制度の改悪、医療のさらなる営利化がすすめられている中で開催された。
職場では、どの施設でも経営効率最優先・在院日数の短縮など営利追求が強まっている。精神科病棟の廃止が旭川・松江病院で提案されたが、患者・住民や関係団体の反対運動が展開される中で阻止した経験が報告された。働くものを粗末に扱う経営方針は、労働者の健康や生活を破壊し、働き続けられない職場を作り、多くの仲間から「犠牲者」を生み出している。公的医療機関としての役割を放棄した日赤から安全・安心の文字は消え、結果、地域住民が求める赤十字事業からどんどんかけ離れていくことにつながる。今こそ患者・地域住民と一緒に地域医療を守り発展させていくことが強く求められている。
日赤本社・施設側は「職員処遇の一体性」を口実に、単組・施設で積み重ねてきた職場の働くルールを破壊する攻撃を強めている。厳しい状況の中、単組では職場の要求を掲げてその実現をめざしてたたかい、組合員と職員の信頼を獲得している。大阪、長野や医療センター単組にみられるような粘り強い取り組みが連続拡大につながり、多くの仲間が勇気づけられた。
全日赤は一九四六年に結成されて以降、長年のたたかいの中で職場の労働条件を一つ一つ改善し、いじめのない民主的な職場、安全な医療・福祉・血液事業のために労働者の先頭に立って奮闘してきた。労働者の要求のあるところに全日赤がある、たたかう全日赤の存在意義を大いにみんなの確信につなげていくことが求められている。職場要求実現と組織拡大を結びつけるカギは「やればできる、やって出来ないことはない、やらずに出来るはずがない」という代議員の発言に象徴されている。
全日赤は日本医労連の方針に基づいて直ちに年金法の実施を許さず、国会での再審議に持ち込ませるための運動に取り組み、平和憲法を守り、イラクからの自衛隊の即時撤退の運動を大きく広げる。また、人事院勧告をテコにした定期昇給廃止やブロック別賃金の導入など国家的賃金破壊を許さず、日赤本社の人勧準拠の強要に対しては、職場から一人ひとりの決起と産別の団結の力でハネ返すために奮闘する。
今大会で報告された全国の仲間の貴重なたたかいの成果と豊かな教訓を基本に、決定された運動方針を全力で実践する。日赤施設に働く多くの仲間にたたかいを呼びかけ、安全・安心の医療・看護・福祉の実現、地域医療に貢献する公的医療機関としての役割を担い、社会保障の充実をめざす運動を全国で展開する。
今こそ、患者・住民のいのちと健康を守る運動と、自らの生活と権利を守ることを一体のものとして奮闘する。そして、組織拡大強化三カ年計画の最終年度の総達成をめざして奮闘することを決意する。
以上、宣言する。
二〇〇四年八月二九日
全日本赤十字労働組合連合会
第五九回定期全国大会 |