■全日赤第58回定期全国大会開催
すべての労働者・国民と連帯し安全・安心の医療・福祉を確立しよう!
全日赤第五八回定期全国大会が七月十二日から十四日まで滋賀県大津市「びわこ緑水亭」において、代議員・オブザーバー等含め一八二名の参加で開催されました。本大会は当初予定していた宝塚のホテルが倒産。小泉「構造改革」の深刻さが改めて実感させられました。 冒頭あいさつに立った土井中央執行委員長は憲法前文を読み上げ、憲法を無視して有事法制を通し、イラクにまで自衛隊を派兵しようとする小泉内閣を厳しく批判。一一月に予想される総選挙は、政治を変える絶好のチャンスだと強調しました。その後、日本医労連・田中千恵子中央執行委員長、日本共産党・穀田恵二衆議院議員の二人の来賓から激励のあいさつをいただきました。また昨年、賃金確定闘争を共にたたかった「日赤労組」からの連帯のメッセージが紹介されました。 提案は、中村書記次長が一号議案(たたかいの総括および二〇〇三年度運動方針)、河野財政部長が二号議案(財政報告および二〇〇三年度財政方針)、岡田書記長が三号議案(規約改正)を提案しました。 今日赤本社がかけてきている「協定破棄」の攻撃は、単に賃下げ問題に止まらないものです。全日赤を無力化し、これまでの労使関係を一気にゼロにしようとする、組織破壊攻撃です。大会はこれらの攻撃に対し、どうたたかうか活発な討論が行われ、満場一致で議案・方針が採択されました(賛成一〇六名)。規約改正も提案通り(議案書参照)可決されました(賛成一〇六名)。また、スト権も確立しました(賛成一〇五名、反対一名)。討論の詳しい中身は次号で報告します。 そして、役員選挙が行われ、太田千枝子・新中央執行委員長をはじめとする新執行部が選出、承認されました(土井委員長は退任)。 尚、大会二日目の夜には、「日本赤十字の素顔」出版記念レセプションと土井委員長の激励会が盛大に行われました。
大会宣言
全日赤は、七月一二日から一四日、第五八回定期全国大会を滋賀県大津市琵琶湖畔において開催しました。大会には代議員・役員・来賓・オブザーバー含め一八二名が参加し、熱心に討論を重ね二○○三年度の運動方針を確立しました。
今大会は小泉自・公・保政権による平和と生活を脅かす悪政が一段と進むなかで開催されました。とりわけ広範な反対世論に背を向け、戦時下のイラクへ自衛隊派遣を強行しようとするなど、戦後五八年間にわたり守り続けてきた平和が危機にさらされようとしている重大な局面で開かれた大会でした。
日赤本社は全日赤に対して「人事院勧告準拠」容認を強要し、それが受け入れないと見るや賃金協定の破棄通告を行い、団体交渉権をないがしろにする暴挙に及んでいます。職場では経営効率優先の施設運営方針が徹底され、その上勤務評定によって労働者間に「競争」までが持ち込まれようとしています。さらに本社の強権的指導による既得権のはく奪・労働条件切り崩し、単組施設間交渉の形骸化の攻撃が進められようとしており、まさに全日赤の存在意義が試される時代を迎えています。
大会では、こうした厳しい状況下でもあきらめず、要求実現をめざしてねばり強く奮闘努力を重ねてきた各単組のとりくみが報告され、活発な討論で方針が深められました。
そして、この大会期間中に赤十字共同研究プロジェクトによる『日本赤十字の素顔』が出版されました。私たちは日赤の機構や事業、歴史に関する研究の成果を学び、これを力にして国民の立場で本来の赤十字としての使命が果たせるよう奮闘します。
戦争は人為的に障害者をつくりだし、殺人を「合法化」するものです。生きものみんなの共有物である自然を破壊し、地球環境を悪化させるのも戦争です。平和を守るためには、戦争放棄を規定した第九条を持つ平和憲法を断固として守り抜くための運動が必要です。私たちは何物にも代えることのできない大切ないのちを預かる医療・福祉に働くものとして、また、唯一の被爆国の赤十字の労働者として、戦争及びその協力には断固反対していきます。
小泉医療改革は国民に大幅な患者負担増を押しつけながら、病院の株式会社化、コンビニでのくすり販売、医師・看護師の派遣労働解禁等を企図し、二一世紀の医療を破壊する方向に進んでいます。医療・社会保障を守るためには、なによりも憲法第二五条の遵守を国に求めるとともに、患者・地域住民との幅広い共闘が必要です。一七○○万人を越える日赤社員の善意が活かされる民主的な日赤とするためにも、私たちは、思い切って地域に出ることによってたたかいの輪を拡げ、患者・地域住民と共に運動をとりくみます。
私たちは、憲法第二八条で保障された団結権・団体交渉権・団体行動権を瞳のように大切にして、医療・労働条件の改善をめざし奮闘します。働くものにとって数は力、組織拡大は要求実現へ最大の力となります。私たちは、統一闘争へしっかりと結集しながら「組織拡大強化三カ年計画」第二年度の運動を全単組で積極的に繰り広げ、目標の達成をめざして元気よくとりくみます。
情勢が厳しさを増すほど、労働組合の果たすべき役割は一層大切になってきます。全日赤は、赤十字として本来の使命がいかんなく発揮されるよう、平和な世の中、働きがいのある職場づくり、安全・安心の医療・看護・血液事業の展開、地域住民の要求に応えられる社会福祉事業をめざし、常に日本国憲法の精神を運動の基本に据えて大いに奮闘します。
右、宣言します。
二○○三年七月一四日
全日本赤十字労働組合連合会
第五八回定期全国大会
土井さんお疲れ様でした
このたびの五八回大会で、土井中央執行委員長が退任となり、大会二日目の夕食交流会では送る会が催されました。 土井さんは全日赤の組合員になって三一年、以来日赤労働者の生活と権利を守るためにみんなの先頭に立って頑張って来られました。中央執行委員長という堅い肩書きを持ちながら、青年とも壁を作らずに交流、出掛けた先ではいろんな事件に巻き込まれたりと私たちをいろんなエピソードで楽しませてくれました。 大会会場で募集した「土井さんに贈る言葉(川柳)」にはたくさんの組合員から名作が寄せられました。 ちゃうんかと 机たたけば 目が覚める宣伝カー 見るたび土井さん 思い出す
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