■全日赤第57回定期全国大会 大会宣言
全日赤は第五十七回定期全国大会を七月七日から九日まで、静岡県掛川市「つま恋」において、代議員・オブザーバー等含め総勢百四十七名で開催し、活発な討論を行い二〇〇二年度の運動方針を決定しました。
小泉首相は、世界に誇るべき平和憲法九条を無視して、国民の権利と財産を奪い、戦争に駆り出す「有事法案」を今国会に上程しました。そして国民・患者・労働者すべてに負担増を押し付ける「医療改悪」など悪法を成立させようとしています。これらの法案を通せば、国民に痛みを強いるばかりか、命をも奪うものとなります。当然ながら、医労連の全国キャラバンや国会要請行動など、さまざまな運動を通じ共感する人が増え、医療改悪では、二千六百万筆の署名を集めるなど、私たちの運動や世論の高まりにより会期中には重要法案のいずれも可決されませんでした。会期は延長されましたが、さらに廃案に向け追い込むことが求められています。
大会では、政府の総医療費抑制政策の中、公的病院としての役割をかなぐりすて、なりふりかまわず営利優先に走る経営者のもと、すさまじいまでの現場実態と合わせ、攻撃に対する様々なたたかいが報告されました。栄養課や検査部門をはじめとし、人減らし「合理化」は多くの職種に及んでおり、看護助手の派遣化では、正職員ではありえないようなミスも起きている実態が明らかになりました。入院日数を短縮する病院方針のもと、退院すれば生命も危うくする長期入院患者に「一日だけでも家に帰れないだろうか」と退院をせまるなど、よい医療よい看護をしたいと願う私たち医療労働者にとって心苦しい実態となっています。また、本社の処遇一体化のもとに推し進められている施設への統制介入の実態も報告されました。理不尽な一時金での一律削減、休日出勤手当の不払いなど長年労使で交渉し決めてきた権利を不当に取り上げるものであり、単組の団体交渉権の侵害でもあります。
二〇〇二年二月二十二日全日赤に加盟した武蔵野赤十字保育園からは、「言いたいことが言えるようになった」「全日赤に入って、要求が実現した」という貴重な発言がありました。働きやすい職場にするために必要なことは『なんでも話せる民主的な職場を確立すること』と『みんながひとつになってたたかうこと』です。彼女たちのたたかいは、組合活動の原点を再認識させるとともに、勇気と元気を与えてくれました。
公的病院としての日赤の役割は、不採算であっても地域に必要な医療・診療を確保することです。患者や地域住民に求められる病院となるため、医療のあり方を職場で論議し、医療を良くするたたかいと労働条件を良くするたたかいを結びつけながら病院や本社に向けてきちんとものが言える組織にしていくことが求められています。職場の声を基礎に要求で一致団結し、あせらず、あきらめず、組織を大きく強くすることが必要です。
大会では「職員処遇の一体化」のもとで、職場で積み重ねてきた労働条件に対しての攻撃を打ち破るために統一闘争を強化すること、医療事故を防ぎ安全な医療・看護を提供すること、民主的であり健康で働きつづけられる職場にするため「組織拡大強化三ヵ年計画」を大きく前進させることを確認しました。
一、平和と民主主義、命と健康を守るたたかいを国民との共同で。
一、医療事故の防止にむけた運動の強化を。
一、要求実現のため、強大な全日赤組織の実現を。
右、宣言します。
二〇〇二年七月九日
全日本赤十字労働組合連合会
第五十七回定期全国大会
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