■全日赤第56回定期全国大会 大会宣言
小泉首相の「痛みを伴う改革」は、国民に「激痛」とも言える負担を強いるものであり、弱者いじめにほかなりません。とりわけ医療においては自らが厚生大臣時代に作り上げた医療改悪プログラムを推し進めているものです。昨年一〇月には六十五歳以上の介護保険料の徴収が始まり、今年一月からは老人医療の定率制が導入され、また医療法も改悪されました。医療現場では、患者の受診抑制が進み、医療を受ける権利が脅かされています。また、病院の生き残りをかけた「合理化」の中で、医療労働者の労働条件の切り下げが進められており、完全失業率が五%、失業者数三三〇万人と史上最悪となっている時に、労働者の生活と雇用を守るという労働組合の真価がいま問われています。
大会では、こうした凄まじい医療制度改悪の実態とあわせ本社の「日赤運営の一体化」の名のもとに推し進められている施設への統制介入の実態が、生々しく発言されるとともに、それぞれの攻撃に対して労働組合の真価を発揮して闘ってきた報告がされました。
須磨日赤の統廃合問題では地域医療を守る運動が、労働者の雇用を守る運動に連動したこと。患者家族の「看護婦さんが忙しいのはわかるが、妻はもうすぐ死ぬ。どうして側にいてくれへんねん。わしは怖いんや」との訴えに、職場組合員が心を動かされ、増員闘争を行い増員を勝ち取ったことが報告されました。これは患者・住民と共に闘う事の重要性が明らかとなったものです。
また「自分たちの職場は自分たちで守る」と一気に組合加入が進んだこと、職場の組合員が加入の訴えをし組織拡大が進んだことや、団交で自らの職場の実態を訴えて改善を勝ち取ったことなど、組合員一人ひとりが闘うことの重要性も教訓的に報告されました。
血液センターの広域配転や外来と病棟の一元化、病院給食の下請け化など凄まじい人減らし「合理化」・下請け化が進むなかで、職場の人間関係が阻害され、精神的にも痛手を被る労働者も出ています。また、ほとんどの労働者が医療事故の不安を抱きながら働いている現状も明らかになりました。そして、その現状を打開すべく自らが決意して組合に加入する人が増えていることも報告されました。まさに今、労働組合の果たすべき役割が明確となっています。
大会では、人事院勧告準拠打破・本社統制を打ち破るために統一闘争を強化すること。そして働き続けることもできる職場と安全な医療・看護を提供するために働くルールの確立と何でも言える民主的な職場をめざし、引き続き一日も早く、一万名の全日赤実現に向けて全力を上げることを確認しました。
一、 いのちと健康を守り、働きがいのある職場の実現を!
一、 国民医療と平和を守ろう!
一、 強大な全日赤の組織建設を!
右、宣言します。
二〇〇一年九月二日
全日本赤十字労働組合連合会
第五六回定期全国大会 |