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組合用語集
労働組合運動編

要求】(ヨウキュウ)
 必要なものや権利を求めること。組合活動の中では求めている事項を指すことも多い。労働組合は要求で団結する組織。「人間らしく働きたい(←これも要求ですが)」と賃上げや労働時間短縮、休暇制度の改善などさまざまな要求を掲げることで、組合員の力をたばねて運動を進めます。道理のある要求は、なかなか使用者もNOとは言いにくく、要求の実現には、要求の正当性と粘り強い運動が大事です。

要求書】(ヨウキュウショ)
 労働者・労働組合の要求をまとめた書面。文書にまとめることで、問題点や事の経過、要求内容を整理することができ、交渉を進めやすくします。回答を文書でもらうようにすれば、文書で要求とその回答を明確にすることができます。

協定】(キョウテイ)
 労働組合が使用者との間で労働条件やその他の労使関係事項を具体的に取り決めたものが「労働協約」です。労働組合が団体交渉で合意に達した、賃金や職場の人員定数、夜勤人員・回数など団体交渉をして得た結果は必ず労使で協定します。こういう協定は、形式的には覚書であったり団体交渉の議事録であってもかまいませんが法的な効力を持たせるには「書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印すること(労働組合法第14条)」が必要です。

夜勤協定】(ヤキンキョウテイ)

 夜勤労働に関する労働者と使用者の約束の内容。協定は、必ず守らなければなりません。夜勤労働は、人体にとっては有害な事であるので、労働時間や回数を制限していくことはたいへん重要です。

組合規約】(クミアイキヤク)
 組合規約は、組合の憲法とも言われています。規約の内容は、民主的な組合運営が保障され、組合員が全員平等に扱われるしくみが必要です。また、“組合の名称、主たる事務所の所在地、組合員の差別的取扱をしない、総会は少なくとも毎年1回以上開催する、会計報告を会計監査による証明を受けて、少なくとも毎年1回は組合員に公表する等の規定があること”は、必ず規約に含めます。そうしないと、労働組合法上の労働組合として認められません。

四役】(ヨンヤク)
 労働組合や諸団体の役員体制の中で、〈執行委員長(議長・部長)・副執行委員長(副議長・副部長)・書記長(事務局長)・書記次長(事務局次長)〉にあたる役員さんたちのこと。つまり指導的な立場に立ったり実務の責任者だったりという責任のある立場の方々。書記次長のポストがない「三役」を使っている団体もあります。

団体交渉】(ダンタイコウショウ)

 略して団交。ダンコウと言われると、ちょっと初心者は???という感じの言葉。労働組合と使用者による労使交渉のことで、労働者が使用者と対等の立場で賃金・労働条件について話合い決定する場。労働組合からの団交申し入れを断ったら使用者は不当労働行為として罰せられる。団体とつくからには、労働組合側と使用者側の役員が並んで向き合い、交渉している光景が思い浮かびます。

青年協議会】(セイネンキョウギカイ)

 略して青年協。労働組合の専門部の一つで、「あそび・まなび・たたかい」ながら、仲間をつくり、友情を深め、さまざまな学習や組合活動を学びながら体験していきます。年1回、青年代表者会議を開催し運動方針を決定します。活動を円滑にすすめるため常任委員会が代表者会議での決定事項を執行します。

女性部】(ジョセイブ)
 労働組合の専門部の一つ。女性の多い職場であり、女性が働き続けるために母性保護と差別をなくすための学習活動や集会などと開催しています。

教育宣伝部】(キョウイクセンデンブ)

 略して「教宣部」。基本は組合員に正しい情報を提供するため、機関紙「日赤労働者」、旬報的に発行するお知らせやニュース・ビラの作成、ホームページなども活用します。また、学習会などの企画も行います。

オルグ

 オルガナイザー(組織者)の略。様々な団体や労働組合などを訪問して、宣伝・訴えをする行為。

攻撃】(コウゲキ)
 業界ならではの独特の使い方。企業など使用者が、労働者や国民に対し、不利益なことを押し付けてくるときに言います。違和感があるものの、けっこう他の言い方が無かったりする。使用者からひどい仕打ちを幾度と受けていると、まさに「攻撃」されているように思えるので、ひどい痛みを受けた人にはかなりしっくりくる言葉でもある。
 例:消費税増税・年金改悪など政府による国民負担増の攻撃が襲う/賃下げ攻撃

36協定】(サブロクキョウテイ)
 労基法36条にもとづいて時間外労働の上限を定めた労使協定をいう。労基法は1日8時間、1週間40時間労働を原則としています。通常、この上限を越えて労働させることはできませんが、使用者が労働組合または従業員の過半数を代表する者との間で協定を結び、労働基準監督署に届ければ時間外労働(残業)は認められます。本来は時間外労働をしないことを前提に、特例的な場合に用いる協定ですが、その中で特別条項を用いてさらに過労死認定時間を超える長時間労働をさせる動きになっています。

不当労働行為】(フトウロウドウコウイ)

 使用者が労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権の労働三権を侵害する行為をいう。我が国の不当労働行為制度は、憲法第28条の労働基本権保障を具体化したもので、労働者の団結権の積極的な保護措置として定められた。労組法が不当労働行為とするのは、(1)組合活動への参加を理由とする一切の不利益待遇、(2)組合加入をさまたげる行為、(3)団体交渉の拒否、(4)組合結成、運営に支配介入すること、等々。労働組合(または労働者)から不当労働行為の救済申立があったとき、労働委員会は審査をし、使用者側にその事実が認められたときには救済命令を発する。そして、労働者を不当労働行為がなかった状態にもどさせ、使用者に対し、謝罪及びこれを繰り返させない旨誓約を公示させる。

人勧準拠反対】(ジンカンジュンキョハンタイ)

 人事院の勧告に準拠するのは反対の略語です。人事院とは、1948年7月に公務員労働者が、アメリカ占領軍の事実上の命令によって労働基本権を奪われ、その代償として設けられた制度です。そもそも労働者の賃金や労働条件は、労働者と使用者との話し合いによって決めるものですが、公務員はこの権利を奪われたので、毎年一回、人事院が「公務員の賃金はこうすべきですよ」と、内閣と国会に対して勧告(説き勧める)して、賃金を決めます。日赤は、公務員ではないので、人事院の勧告どおりにする必要はなく、労使の交渉によって決められますが、本社や施設は「人事院勧告をお手本とする」として勧告を押しつけています。労使で決めることの出来ない人勧を交渉に持ち出し押しつけることは、正常な交渉を妨げるものです。

春闘】(シュントウ)
 日本で労働組合が毎年春に合わせ、賃金要求を中心に可能な限り交渉時期、戦術を統一し全国的に取り組む要求闘争。1955年、当時のナショナルセンター日本労働組合総評議会(総評)の下で始まった。1970年代前半、年金の物価スライド制を勝ち取る運動と結んで30%の賃上げを獲得しましたが、1975年以降は財界の巻き返し、労働組合の切り崩しがはげしくなり、近年ではついに春闘そのものの崩壊とも言える状況にまで至っています。

秋闘】(シュウトウもしくはアキトウ)
 秋期年末闘争の略。年末の一時金(ボーナス)引き上げを中心に取り組む時期とたたかい。

ストライキ
 略してスト。日本語にすると同盟罷業(ひぎょう)と言うらしい。ストライキというのは、日にちや時間を決めて、いっせいに仕事を停止する行動で、労働組合の最大の武器です。会社の利益を産み出しているのは現場で働く労働者。そのことを実際に仕事を止めることで会社に思い知らせる行動です。会社は、生産やサービスが止まると困ります。ストライキを回避するために労働者の要求に応えるか、損害を承知で労働者の要求を無視するか迫られます。所定の手続きを踏んだストライキは、会社に損害を与えても、その賠償を労働者に求めることはできません。病院では仕事をしないことで患者の命に係わるような場合は「保安要員」を配置する。

チェックオフ
 労働組合の組合費徴収の一方法として、使用者が労働者に賃金を渡す以前に賃金から組合費を控除し、一括して組合に渡すこと。組合費天引きともいう。労働基準法第24条で、賃金は原則として全額を通貨で直接労働者に支払わなければならないと規定しているから、第24条1項但し書きの規定により労働組合との書面による協定が必要である。

あっせん
 労働争議の調整方法の一つ。労働争議の解決につき当事者の自主的な努力に対し援助を与え、これを解決することを目的とする制度をいう。あっせんは、当事者の意志の疎通を図ることを目的とするので、調停の調停案、仲裁の仲裁裁定のような解決案の提示は必要でなく、調整手続きのうちもっとも簡易なものとして多く利用されている。

中労委】(チュウロウイ)

 中央労働委員会の略。公益委員、労働者委員、使用者委員の三者で構成され、労働者(労働組合)と使用者(企業)の間の紛争の解決にあたる機関です。“中央”なので、地方の解決案に不服申し立てがあったときや、複数の都道府県にまたがるときなどが出番です。

県労委】(ケンロウイ)

 県労働委員会の略。都道府県に設置される労働委員会です。

看護問題対策委員会】(カンゴモンダイタイサクイインカイ)
 病院で一番多い看護職員の労働条件や医療事故対策、ゆきとどいた看護提供のための学習や交渉を行っています。本社の看護部との交渉も行っています。

給食問題対策委員会】(キュウショクモンダイタイサクイインカイ)
 「病院給食は、治療の一環である」と位置づけ、直営原則(他を介さずに直接経営すること)に基づき、下請け・業務委託に反対しています。また、給食部門で働く職員の労働条件の向上、よりよい食事のために経験交流や学習会活動を行っています。

血液センター対策委員会】(ケツエキセンタータイサクイインカイ)
 日赤にしかない血液センター。血液事業に関する政策及び血液センターの労働条件の改善を目指し、情報交換や本社との交渉を行っています。

福祉施設対策委員会】(フクシシセツタイサクイインカイ)
 日赤には乳児院や保育園、児童養護施設、整肢学園など福祉施設があります。福祉施設の独自要求の実現のため、それぞれの施設の問題点を持ち寄り、情報交換したり、本社と交渉を行います。

賃金専門委員会】(チンギンセンモンイインカイ)

 略して賃専。要求額をはじめとする賃金に関する調査・研究を行い、中央執行委員会に答申します。また、本社との専門的な交渉を行います。

身分補償委員会】(ミブンホショウイインカイ)

 組合活動により「解雇」あるいは「不利益扱い」「不当な賃金の減額」など処分を受けた事による経済的損害を被った組合員に賃金補償を検討する委員会。委員は、定期大会で選挙で決まります。

反合闘争】(ハンゴウトウソウ)

 反「合理化」闘争の略。「合理化」に「」が付いているのは、使用者が行おうとしている「合理化」は、労働条件を悪くしたりする合理化であり、「合理化」のもとのリストラなど労働者にとっては良くないことです。なので「合理化」に反対するのです。

リブヤン
 全日赤青年協主催の青年集会。リブ・ヤングの略。1972年から始まる青年集会で、「遊んで、飲んで、楽しんで、いつの間にか仲良くなっている」という集会です。
 ちなみに医労連青年協の主催の青年集会は「アクト」と言います。

かぐわしき会
 現役、OBを含む中高年者の会。全日赤の歌(夜明けの風に−全日赤の歌−)の歌詞の一部からこの名が付けられました。40歳以上になれば参加でき、全日赤の中でも一番元気のある会です。年1回総会を行っています。

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