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機関紙「日赤労働者」

NO勤務評定 (4)公平・公正性は保てるのか(その3)

 評価エラーを前号につづいて見てみましょう。

「逆算化」傾向

 例えば最高点が100点と決まっていた場合、100点は「トップの職員」のみとなるので、「Aさんが優秀でも、あとからもっと優秀な職員が出てくるかも」と考えて、Aさんより高い点を付ける余地を残し、例えば合計点を80点に決め評価します。そして80点になるよう逆算して各項目の評価を調整するのが「逆算化傾向」。職員の昇格等の処遇を先に決定し、その基準に達するように評価内容の帳尻合わせをおこなうのです。

「論理誤差」の傾向

 事実を確認せず、評価者の固定概念や推論に基づいて評価をくだすことを指します。例えば被評価者の出身大学や所属団体から、職務遂行能力の高低を判断して評価に反映させます。

「対比誤差」の傾向

 評価者自身の能力を基準にし、被評価者の能力を自分と比較して評価します。例えば評価者の専門や得意分野においては厳しく、専門外や不得手分野に関しては甘く評価します。

「期末評価」の傾向

 評価期間終盤の出来事に全体の評価が影響されることです。例えば同じ業務ミス(または成果)であっても、期首か期末かで評価が変わります。つまり「近い出来事ほどよく記憶している」ために、期末に近い出来事ほど評価する上で重みを付けて評価してしまいます。
 以上の評価エラーを起こさないよう、師長や課長など一次評定者には、大変なプレッシャーです。日常業務が少しも免除されることなく、このような負担を強いられるのは耐えられないのではないでしょうか。

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