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 先日、パウル・ヨーゼフ・クルッツェン氏が亡くなった。ドイツにおいてフロンガスによるオゾン層破壊の研究で活躍し、1995年にノーベル化学賞を受賞したオランダ人化学者だ▼ちょうど、労働組合青年部の仲間からステイホームのお供にと『人新世の「資本論」』という本を薦められて読んでいる最中だったので驚いた。著者は青年部世代の経済学者の斎藤幸平氏。様々なメディアで著名人と対談する等、注目のオピニオンリーダー的存在だ▼「人新世(ひとしんせい・アントロポセン‥Anthropocene)」の提唱者がクルッツェン氏であり、氷河期の終わりから今日までを指す地質年代「完新世」から、人類の経済活動により地球のあり方を取り返しのつかないほど大きく変えてしまいつつある新たな年代=「人新世」に突入したと提唱したのだ。「先進国はグローバル・サウスを犠牲にして豊かな生活を享受している」という言葉がショッキングであった▼ふと、職場で使用している医療用ニトリル(合成ゴム)グローブがマレーシアの工場で強制労働や劣悪労働の犠牲の上に生産されているという話が頭をよぎった。工場ではCOVID―19の大規模クラスターも発生したと聞く。医療物資不足の背景を探ると資本主義社会の闇が垣間見えた。(Ys)

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