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機関紙「日赤労働者」

憲法改悪反対、賃金・労働条件改善と組織拡大強化!!
全日赤2020年度議案(抜粋)

 コロナ禍のため全日赤第75回定期全国大会は中止としましたが、2020年度の運動方針について議案書を送付し、通信投票にて採決をおこない暫定方針を確立します。開票は7月12日(日)の地方協議長会議にておこない、Rプラン撤回など秋年末闘争の意思統一をおこないます。
 ここに2020年度議案書の概要を掲載し議案討議を呼びかけます。

はじめに

 2019年度は、働き方改革による年次有給休暇5日取得義務化への対応として、夏季特別有給休暇を夏期限定年休「夏休み」への切替や本社の給与総合見直しの交渉など大きな改定を協議してきました。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大により、集会等の自粛のなか、本社要請行動中止やストライキ中止など春闘での交渉が進みませんでした。
 しかし本社は、賃金大改悪の「Rプラン」については、2021年4月実施を取り下げること無く推し進めており、今年度の重点項目となっています。

Rプラン撤回闘争

 本社提案の「Rプラン」は、勤務評定による賃金制度の導入を根幹として、俸給表の再編・引き下げであり、断じて許すわけにはいきません。また、各種手当の見直しも「抗がん剤調製作業手当」の新設など要求を聞き入れたものもありますが、大半は要求に反して人件費抑制のための大改悪となっています。
 全日赤は「Rプラン」を撤回させるため総力をあげてたたかいます。
 具体的には、春から取り組んでいる「Rプランによる改悪反対。大幅賃上げと賃金改善を求める職員・家族署名」を継続するとともに、勤務評定が医療・福祉の職場には馴染まないことを報せていきます。

コロナ禍を理由とした賃下げは許されない

 新型コロナウイルス感染症に関連した経営悪化を理由とする賃金引き下げを許さず、医労連に結集し国や自治体への要請を強めながら、「賃上げ必要」の施設内世論を高めることと併せて、全日赤の賃金闘争の根幹である人事院勧告準拠反対の宣伝を強化します。
 また、組合員1人ひとりが自らの賃金に関心を持ち、確信をもって要求に結集するために、本部は「賃金改善要求ビラ」を用意しますので、単組では組織拡大強化の課題と併せて、賃金課題での宣伝を強化します。
 特に「Rプラン」にて引き下げ等が提案されている課題については、全日赤協定と統一要求を前面に押し出し、施設内世論を盛り上げます。

一時金闘争

 年度統一要求に一時金の「基本額」要求を盛り込み本社追及をおこないます。一時金闘争の基本的なたたかい方は、次のとおりです。

(1)春闘時期に、本部本社間の交渉により一時金の「基本額(最低保障額)」として年間の支給月数等を決定します。
(2)夏期交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、夏の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
(3)秋年末交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、年末の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
(4)一時金の加算措置については、現行の矛盾点(加算対象者の勤続年数の違いや加算率の違い)を改善します。

一時金の減額規定について要求化

 本社提案の「一時金の減額規定の一本化」は、全日赤との協定となっている育児短時間勤務者の減額規定を改悪する内容が含まれており、断じて認められるものではなく、引き続き本社追及を強めます。そのために、減額規定の要求を統一要求に盛り込みます。

サービス残業は一掃

 法改正により定められた36協定の上限規制を守らせる運動を締結時および締結後も追及します。また厚労省が出した「労働時間の適正把握のガイドライン」を活用し、始業前の情報収集や会議・研修が業務であることの確認を迫るとともに、「不適切事例」を用いた指導強化を追及します。併せて職場では「ガイドライン」の内容を学習しながら、時間外労働手当の請求運動を増員闘争と位置づけ取り組みを強化します。

労働者代表を勝ち取る

 使用者は、36協定を結ばずに時間外労働をさせると労基法違反となり罰せられます。そこで、過半数を組織していない単組の施設では、使用者側が労働組合以外の労働者代表を選出して、施設側に都合の良い36協定を結ぼうとする動きがあります。
 単組では、全日赤の「労働者代表のてびき」や「36協定のてびき」を活用し、労基法違反の追及と労働者代表の民主的選出を追及するとともに、労働者代表を獲得するため奮闘します。

年休取得促進

 働き方改革関連法施行に伴い、労働基準法が改正され2019年4月から施行されました。年次有給休暇(以下、年休)の付与基準日に10日以上の年休が与えられる労働者に対して、使用者が1年間に5日は時季を指定して年休を取得させることが義務化されました。本社は「夏季特別有給休暇3日を年休に振り替え年休日数を24日とする。このうち計画的付与年休3日を「夏休み」とよぶものとする」としています。年休および権利休暇の取得は、増員闘争と位置づけ追及を強めます。
 本社が管理者向けに発出した『労務管理ハンドブック』にも記載されている年休に対する「あげる・いただく」の風潮を無くしながら、請求運動を展開し年休取得促進を図ります。

良い看護のために増員を

 患者・利用者が良い看護を受けることができ、私たちが働き続けることのできる勤務態勢を確立するためには増員が不可欠です。
 そのためにも、各勤務の人数や有給休暇も含めた休日の消化、スタッフの急な休みに対するフォロー体制も含めた職場ごとの必要人数をだし、具体的な増員要求をおこないます。

夜勤改善の実現

 夜勤が及ぼす労働者への有害性と同時に、患者・利用者の安全への影響もアピールし、夜勤改善の世論を広げながら、労働条件の改善と労働の質の向上に向けて、「労働時間を週32時間以内」や「夜勤のための勤務免除など実質的な時短」など夜勤改善と「夜勤回数は月6日(当面8日)」の夜勤協定の締結にむけ奮闘します。また、夜勤改善を実現させるためには大幅増員が不可欠であり、大幅増員要請項目盛り込んだ「いのち守る国会請願署名(仮称)」の取り組みを推進します。勤務間隔や交替の方向(正循環・逆循環)、夜勤後の休息にも注目し夜勤点検をおこないます。

とりもどそう看護のこころ

 看護とは、「息をする、食べる、眠る、トイレに行く、体をきれいにする」など他人がこれを代行できない営みの援助をすることです。今こそ、看護の原点に返る必要があります。「患者にとって良い看護とは何か」を追求していきます。看護師に特定行為を強要しないこと等を施設に要求します。また看護師と看護助手の「協働」に向けて業務区分の検討を進めます。

安全で安心できる医療・看護・介護・福祉の実現を

 (1)憲法25条の形骸化を許さず、社会保障の削減から拡充への転換を迫る運動をすすめます。
 (2)医療・介護の保険外しに反対し、患者・利用者の自己負担軽減とあわせ、診療報酬・介護報酬引き上げと処遇改善を求める取り組みを進めます。
 (3)医療提供体制の縮小再編成、「地域医療計画」、「医療費適正化計画」などによる実態を無視した病床削減に反対し、住民本位の保健・医療・介護・福祉のネットワークの確立をめざす運動に取り組みます。
 (4)国・自治体・公的病院の統廃合・民間移譲に反対し、国の責任による地域医療の拡充をめざす運動に取り組みます。

全日赤の組織をさらに大きく強く発展させよう

 2019年度第2回中央委員会にて策定した「第7次組織拡大強化4ヵ年計画」は、2023年の定期全国大会までに7800名達成を目指すものです。目標達成にむけて組織拡大推進委員会)を設置し、各地方協・各単組の組織拡大強化の取り組みを推進します。毎月16日の「賃金支払日行動」や秋・春の「わくわくの日」1日行動など組織拡大強化の取り組み集中日として結集します。
 春の臨時大会(2020年2月6日から7日)と連動して組織拡大強化対策会議(7日午後)、「次世代育成中央研修会(仮称)(8日)」を予定し、徹底した意思統一をおこないます。

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