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機関紙「日赤労働者」

書記長に聴く
2019春闘のたたかい方
憲法を守り、生活できる賃金と労働条件を勝ち取る春闘

 春闘の要求とたたかい方を決定するために、全日赤2018年度第1回中央委員会が2月2日(土)から3日(日)にかけて開催されます。
 昨年末にストを背景にして要求を前進させたたたかいを教訓としながら、2019年春闘のたたかい方を決定します。
 今春闘のたたかい方について書記長に聞きました。

春闘情勢はどうなっていますか?

 昨年秋年末の報道によると、連合は「2019年の春闘に向けての基本構想についてベースアップ幅を『2%程度を基準』とし、定期昇給の2%とあわせ『賃上げ要求水準を4%程度』とする方針を決めた」とあり、また「2019年の春闘をめぐっては、経団連が安倍首相から6年連続で賃上げを要請され『社会的期待を考慮しながら、多様な方法による年収ベースの賃金引き上げや総合的な処遇改善を進めていくことが求められる』と業績が好調な企業を中心に自主的な賃上げを促している」とも報道されています。

春闘をどうたたかいますか?

 本社は、2017年度につづき2018年度も賃上げを翌年3月からとするなど人事院勧告とは違う動きを見せていますが、基本方針は変わっておらず、本社は「世間並み」を主張しますので、まず世間の賃上げ情勢を押し上げます。そのために最低賃金の引き上げを重点とし取り組みを強化します。
 また、安倍政権が強行した『働き方改革』一括法は、労働者の権利を根こそぎ奪い取るものです。私たち労働組合は憲法に基づく生計費原則の要求を高く掲げる重要性が増しています。労働者の実質賃金が下がるなか「8時間働けばまともに暮らせる賃金」こそが、憲法で定められた水準であることの認識を広げる要求討議をすすめます。
 次に、医療や福祉で働く労働者が世間並みの賃上げをおこなえば施設が成り立たなくなる現状を世間に訴え、政府の政策を軍事拡充ではなく社会保障充実へと転換させます。そうした中で日赤本社に対しては、人事院勧告打破の方針をより一層押し出し、真に世間並みの賃上げを自主的におこなうよう追及し、春期決着を目指します。

展望はありますか?

 昨年末での一時金闘争では、今までの本社通知による本社統制がより一層緩むなかで、一時金のバラツキが目立ち、上積みを勝ち取ったのが25単組ありました。
 たたかえば必ず要求は前進します。たたかうためには日頃の鍛錬が必要であり、労働組合でいうと日常活動や教育宣伝活動を通じて組合員の団結を固めることです。また同時に理論武装も必要です。法律的な知識や情勢および労働組合についての学習をしておけば交渉も有利に進められます。いざストライキでたたかおうとみんなが決意してもストライキのやり方が分からなければたたかえません。そうした労働組合の原点に立ち返った学習と徹底した職場討議を重視した春闘を展開し、たたかう労働組合の体力をつければ展望は開けます。

どうやって団結を強めますか?

 労働組合は、要求で団結する組織です。要求討議を徹底しておこないます。まず組合員の要求を聞き取り、その要求が労働組合全体の要求となるか討議するとともに、どうすれば要求実現ができるのかたたかい方を含めて意思統一を固めます。
 賃上げ要求額については「生計費原則」に則った議論を進めながら、2018年要求アンケートの集約結果を重視し日本医労連の賃上げ要求(4万円要求)を参考にすることとした賃金専門委員会での議論を踏まえ中央委員会で提案します。
 使用者(経営者)によっては「4万円賃上げなんて常識がない」などと非難する言い方をする人もいますが、組合の弱体化を狙ったものであれば不当労働行為にあたります。毅然として反論する必要がありますが、要求の根拠をしっかりと議論しておけば団結を崩されることはありません。

政治的課題は馴染まないと思いますが…

 そんなことは決してありません。生活や働き方は政治と切り離せないものです。消費税増税で生活が苦しくなるのも政治に関係することですし、消費税を無くしてほしいと要求することは政治的課題です。たしかに使用者に政治的課題を要求しても解決できませんが、「一緒に声を上げてほしい」との要求に対しては回答できます。そもそも労働基準法(労基法)では1日8時間労働が原則です。しかし医療現場では2交替制による長時間夜勤や長日勤など長時間勤務が横行しています。これも変形労働時間制の導入など労基法の改悪があったからです。夜勤改善・大幅増員の署名を集めて国会に提出し夜勤労働の規制を政治に求めます。
 安倍首相は、戦争できる国づくりに向け、民主主義をないがしろにし「安保法制(戦争法)」や「テロ等準備罪(共謀罪)」を強行可決しました。こうした政治情勢をしらせながら、職場から「政治を変えよう」との議論ができるようにしなければなりません。

憲法「改正」は必要?

 安倍首相は年頭の記者会見において、憲法改正に向けた取り組みを継続する姿勢を示し、自民党の下村憲法改正推進本部長は「新元号がスタートする歴史的な年に、憲法改正の流れをつくりたい」と述べています。実情に即して「改正」するべきと主張しているようですが、そもそも憲法とは時の権力者の横暴を抑制するためのものであり、解釈を変えて憲法違反を繰り返してきた実情に合わせることは、民主主義の破壊につながります。組合として早急に学習を強め、憲法改悪阻止の意思統一を固める必要があります。

職場は忙しすぎて集まれません

 あきらめたら終わりです。その忙しい状況を改善するためにも労働組合として要求し改善を勝ち取る必要があります。組合役員は創意工夫をこらして話し合いの場(カレーの集い・給与明細の見方学習会など)を設けます。組合員ひとりひとりも少し努力し、話し合いに参加し自分の意見や要求を語りあいます。忙しすぎて情報が途絶えると賃金や労働条件での間違いがあっても気づかなくなります。
 今春闘では、サービス・不払い残業一掃の取り組みを一層強化します。また俸給の格付け違いや手当支給の間違いなどがないかどうか点検を強めます。労基法や賃金協定というルールに従って支払うべき賃金はきっちりと支払わせます。また嘱託・臨時・パート職員の賃金労働条件改善にも取り組みます。

組合を大きくするための取り組みは?

 要求を実現させるために、労働組合が大きく強くなる必要があります。そのことを全単組・全組合員が認識し組織拡大の取り組みに参加するようにします。秋の「わくわくの日」を皮切りに、組織拡大が前進しています。春闘では3月14日を春の「わくわくの日」と位置づけ全国一斉に組織拡大に取り組みます。
 また新採用者への働きかけも早い時期から準備をすすめ、100%加入をめざし奮闘します。7月の定期大会までに第6次3ヵ年計画の目標(7800名復活)をめざし増勢転化をやりとげます。

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