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機関紙「日赤労働者」

2018年春闘要求アンケート 賃金の不足感、賃上げ要求ともに増加

 2018年春闘での要求アンケートは、20単組1534名分を集約しました。職場の不満では、昨年2番目だった「賃金安い」がトップとなり、要求の不足感も要求額もともに昨年より増加しています。

賃上げ要求がトップ

 職場の不満に関する問のトップ3は昨年と変わらないものの、1位と2位が入れ替わり「賃金が安い」(16・5%)が一番多く、次いで「人員が少ない」(16・4%)で、三番目が「休みが取れない」(13・7%)となりました。また今年、新たに加わった「ハラスメント」に関する不満は2・4%と上から11番目となりました。
 昨年比では、昨年トップであった「人員少ない」も昨年より1・2ポイント増加しましたが、昨年2位の「賃金が安い」は、1・7ポイント増加し今年トップとなりました。そのほか昨年より割合が増えたのは、B「成果能力主義が強まった」0・9ポイント増、C「仕事きつい」0・6ポイント増、D「夜勤多い」0・5ポイント増、E「退職金が少ない」0・4ポイント増、E「健康守れない」0・1ポイント増です。
 逆に昨年より割合が減ったのは、@「経営状況悪い」2・4ポイント減、A「福利厚生悪い」1・3ポイント減、B「一時金少ない」1・2ポイント減、C「時間外多い」と「医療看護の内容悪い」が共に0・3ポイント減、D「母性保護なし」0・2ポイント減となっています。
昨年の年末一時金交渉で増額する施設が多かったことで「一時金少ない」や「経営状況悪い」が減少し、賃上げが4月遡及でなかったことで賃上げに対する要求が強まったと思われます。

50歳代「苦しい」生活実態

 生活実態では、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせた「苦しい」と答えた人は、昨年より2・5ポイント増加し、42・7%となりました。
 年齢別で見ると「苦しい」と答える割合が、50歳代が1番多く51・9%と40歳代の50・6%とともに過半数を超えています。
 また収入が「増えた」は若年層ほど高くなっていますが、どの年代でもトップ回答は「変わらない」で全て半数を超えており、40歳代では69・6%となっています。全体でも「変わらない」の割合が2・8ポイント増えて59・3%となっています。
 賃上げの実施時期が今年3月からと4月遡及がなかったことで一時金にも反映せず生活「苦しい」が増えたものと思われます。
 また4年連続のベースアップではあったものの高年齢層の賃上げ率は低く、現給保障が続いている年代は、ベアがあっても賃上げになっていない状況を反映しています。

住宅費・学費が負担

 生活実感から、負担に感じているものは、全体で「住宅費」(25・8%)が一番多く、次いでA「社会保障」(19・2%)、B「学費」(18・4%)、C「食費」(15・4%)となっています。
 年齢別で見て10%以上あるものは、20歳代で@「住居費」A「社会保障」B「食費」C「交通費」D「奨学金」、30歳代で@「住居費」A「社会保障」B「学費」C「食費」、40歳代で@「学費」A「住居費」B「社会保障」C「食費」、50歳代で@「学費」A「住居費」B「社会保障」C「食費」となっています。
 就学児を養育していると考えられる40歳代以上では、支出は増加するが収入が増えず生活が苦しくなっていると考えられます。

不足感4万以上

 「賃金の不足感」では昨年より平均1920円増加し、4万6622円となり、賃上げ要求額も昨年より3490円増加し、平均2万7928円となりました。要求額の平均は、2012年から減少傾向にありましたが、今年は大きく増加に転じました。要求額は切り上げて誰でも2万8000円の賃上げを要求し、併せて日赤の賃金体系が医労連の要求から見て下回ることから、体系是正含め4万円を要求としました。

「とても疲れている」増加

 身体の疲れに関しては、昨年同様「とても疲れている」「やや疲れている」を合わせて9割以上(96・4%)が「疲れている」と答えていますが、昨年より1・5ポイント増加しており、「とても疲れている」も4・3ポイント増加している状況です。

長時間残業は減少傾向、しかし、残業無くならず

 残業時間は、「80時間以上」が0・1ポイント、「50〜80時間」が0・5ポイント、「40〜50時間」が0・6ポイント減少し、平均時間は、13時間47分と昨年より約17分減少していますが、逆に「30〜40時間」で1・5ポイント増加しており、「ほとんどない」も大きく変わっておらず残業は無くならない状況が続いています。
 またサービス残業も平均5時間3分で昨年より19分減少していますが、長時間のサービス残業は減少、10時間までのサービス残業は増加しています。
 平均のサービス残業時間を平均残業時間で割った「サービス残業率」は36・6%と昨年より1・6ポイント改善されていますが、月5時間のサービスを賃金に換算すると日赤全体の平均俸給額から計算して月額約1万1千円になり、日赤全体で約7億円にもなります。

時間外手当 請求しづらい「周囲」が増大

 時間外手当を請求しできなかったことがあるかの質問に対して「よくある」「たまにある」を合わせて83・8%が「できなかったことがある」と答えており、昨年よりは4・8ポイント増加していますが、依然として約8割の人が「請求できない」状況です。
 その理由で一番多いのは、昨年と同様には「周りがみなんしていない」がトップで40・8%、昨年よりも1・6ポイント増加しました。また若干(0・6ポイント)ではありますが「請求すると嫌味」も増えています。
 また時間外請求しない時間帯として、始業前の約6割、休憩時間帯では約半数が請求しないことが「よくある」と答えています。加えて「時間外手当が支払われる事例」でも始業時間前の情報収集や機械準備は約4%とほとんどが支払われていない状況です。支払われる事例として一番多かったのが「看護記録」ですが、それでも12・6%と1割にすぎません。
 黙示の指示や休憩の取らせ方、何が労働時間になるのかについても追及する必要があります。

働きやすい環境づくりが急務

年休取得日数は増加

 年休の取得平均日数は昨年より0・9日増加し平均7・8日となっています。
 年齢別では、昨年、若年層ほど取得日数は低くい傾向でしたが、30歳代の取得の増加が他よりも多いです。職種別では回答者数の少ない医師・介護職・保育士を除くと事務職が取得日数は一番少なく、次いで医療技術者、看護師、技術業務職となっています。
 年休を請求したことがあるかの質問に対して、無回答を除くと「まったくない」と答えたのが、昨年と同様に約36%でした。
 請求しない理由では、「みんなが請求しない」と「職場に迷惑がかかる」がそれぞれ昨年と変わりなく約3割となっています。請求しやすい雰囲気をみんなで作り、施設に「人手が足りない」ことをしらせながら、増員を勝ち取ることで迷惑もかからなくなる考え方「年休請求は増員闘争」を広げる必要があります。

ハラスメント増加

 ハラスメントの有無を聞いたところ「よくある」「たまにある」を合わせて「職場・施設にハラスメントがある」と答えたのが58・4%(昨年54・5%、一昨年47%)と増加傾向にあります。
 本社のハラスメント防止ハンドブックが発表された年は減少しましたが、以前に増してハラスメントを感じることが多い職場であり、さらなる防止策が必要となっています。
 パワハラの種類では、「無視・冷淡な態度」が一番多く、次いで「何度も一方的にミスを非難」「嫌悪感など心理的追い込み」と続いています。また37・8%がどこに相談すればよいかわからないと答え昨年よりは減っており、「院内の指定した窓口」が増加しています。

安保法制・憲法9条改悪「わからない」

 全日赤独自の設問で「安保法制(戦争法)は憲法違反の法律と思うか」に対して、「憲法違反である」と答えたのは、回答者中34・3%(昨年37%、一昨年45・4%)と減少しており、「わからない」が54・7%(昨年52・4%、一昨年44・8%)と増加しています。無回答も全体の約3割となっており、職場での宣伝不足、議論不足が浮き彫りになっています。
 また、憲法9条の「改正」についても同様に無回答と「分からない」を合わせると約7割が関心を寄せていないことになります。

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