■育介法改正のポイント講座
1月1日より「育児・介護休業法」が改正されます。改正によって日赤の規程がどう変わるのか解説します。
介護は、ここが変わる
1.介護休業の分割取得が可能に
今まで、介護休業は、連続6月の範囲内でしたが、「通算して186日以下」となり、3回を上限として分割取得できるようになります。既に介護休業取得中の方は、残っている日数を分割取得(残り2回まで)できます。
2.介護休暇が半日単位で取れる
3.介護のための所定労働時間の短縮措置
介護休業とは別に、介護期間の連続する3年以内の間は、所定労働時間の短縮が1日を通じ始業時間から連続し、又は終業時刻までの連続した2時間(ただし、取得開始から6ヵ月間は4時間)の範囲、30分単位で取得できます。ただし、業務の正常な運営を妨げる場合は取得できません。勤務しない時間の賃金は減額されます。
4.介護終了まで所定外労働の免除が可能になる
介護終了までの範囲で時間外労働免除の請求できる権利が新設されました。ただし、業務の正常な運営を妨げる場合は取得できません。
5.対象家族の範囲が拡大
今までの規程(配偶者、父母、子、配偶者の父母、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫)の他、同居・扶養していない祖父母、兄弟姉妹、孫も追加されます。
6.介護休業給付率引き上げ
今まで賃金の40%でしたが、2016年8月より67%に引き上げられました(最大給付日数は93日)。
7.有期契約労働者の介護休業の取得要件が緩和
「雇用期間1年以上」と、「93日〜6ヵ月までの間に、労働契約満了が明らかでない」に緩和されました。
育児は、ここが変わる
1.子の看護休暇が半日単位でとれる。
2.育児休業の対象となる子の範囲拡大
今まで規程(法律上の親子関係である実子、養子のみ)の他、法律上親子関係に準じるといえるような関係にある子(例えば、特別養子縁組の監護期間中の子や養子縁組里親に委託されている子など)も追加されます。
3.有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和
「雇用期間1年以上」、「子が1歳6ヶ月になるまでの間に、労働契約満了が明らかでない」に緩和されます。
マタハラ防止措置
このほか、男女雇用機会均等法の改正に伴い、従来からあった「妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止」に加えて、上司、同僚などが職場において、妊娠・出産・育児休業等を理由とする就業環境を害する行為をすることがないよう防止するための措置(労働者への周知・啓発、相談体制の整備等)が事業主に義務化されます(日本赤十字社ハラスメント防止規程の一部が改正されます)。
なお、従来からある不利益取扱の禁止、今回追加された防止措置ともに、派遣労働者を受け入れている派遣先にも適用されます。 |