■ふたたび白衣を戦場の血で汚さない
全日赤は小さな一歩と大きな声で平和に向けて歩きます
戦争立法NO!
自民、公明両党は5月11日、「戦争立法」(安全保障法制整備)に関する与党協議会で、関連法案の全条文について正式に合意しました。これを受け、安倍晋三内閣は14日に法案を閣議決定し、翌15日に国会に提出しました。憲法9条(戦争しないなどの平和主義を規定)を乱暴に破壊し、戦後日本の国の在り方を根底から覆す「海外で戦争する国」への重大な企てであり、断じて許されません。
法案3つの問題点
安倍首相はこの法案を「平和安全法制」と呼んでいますが、米国が世界でおこなう戦争に際し、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、自衛隊が支援・参加する「戦争立法」というのが正体です。
この法案3つの重大な問題は、(1)米国が世界で起こす戦争で、自衛隊が従来の「戦闘地域」まで行って軍事支援をおこない、“殺し殺される”危険が格段に高くなること、(2)PKO(国連平和維持活動)法案改定で、アフガンで数千人の犠牲を出したISAF(国際治安支援部隊)など、PKOと関係ない危険極まる活動に自衛隊が参加する、(3)日本がどこからも攻撃されていないのに集団的自衛権の行使ができるのです。
すでにある法律は
2003年に成立した武力攻撃事態対処関連三法が成立し、この法律で日赤は指定公共機関に指名されました。また、既存の自衛隊法103条では、自衛隊は病院や診療所を管理し、医療従事者に業務に就くことを命令できるようになっています。
有事(戦争)での医療は、単に負傷者の救護だけでなく治癒した兵士が戦線に復帰することから戦力の回復を意味し戦時を維持させる役割を果たします。
医療従事者の役割
私たちは従軍看護婦としての先輩たちの苦難から学び、「ふたたび戦場の血で白衣を汚さない」を平和運動の原点としてきました。
平和だからこそ、国民のいのちや健康を守る医療労働者の役割が果たせます。
朝日新聞社の世論調査(2015年3月)によると、憲法改正の是非を尋ねたところ、憲法9条については「変えない方がよい」と63%が答えています。
この法案の危険な中身を知らせ、再び戦争への道を歩まないようにしなければなりません。 |