■日赤厚生年金基金
「代行返上」方針を決定
2013年6月に厚生年金保険法の「改正」では、本則から厚生年金基金が削除され、現時点で存続が可能な基金は、附則にて「存続厚生年金基金」として位置づけられるなど将来的に基金の存続が厳しい状況になっています。
法改正の概要は、(1)代行割れ(国に返す分の蓄えがない)基金は、5年以内に早期解散、(2)代行割れ予備軍も5年以内に他制度へ移行または解散、(3)健全基金も5年以内に他制度へ移行または存続(ただし10年以内に、存続基金は解散するか他の企業年金に移行するよう検討する)というものです。
日赤厚生年金基金は、2012年度の制度改定により現在、代行部分の1・91倍(平成24年度末)の資産を有しており「健全基金」に分類されます。よって存続の選択も可能ですが、基金として存続するための基準が、年々引き上げられることが決まっており、先々に存続するための基準を満たさなくなる可能性があります。また国の基金制度廃止の方向性を見据えたときに、代行返上の方向で早くから準備をするほうが得策であるとの説明を受け、9月16日に開催された第55回代議員会にて「代行返上」の方針を賛成多数で可決しました。全日赤代議員団は第69回大会決定に基づき「代行返上」に賛成しました。
今回の代議員会の決定は、「5年後には代行返上する方針である」と国に届けることを決定したもので、日赤における年金制度をどうするかは、5年間のなかで協議します。また加入員に対する説明と同意の手続きも行われますが、まず将来分の返上(決定以降の業務代行を返上する)についてのみ同意確認がされ、過去分の返上(決定以前に代行していた受給者への給付業務と資産を返上する)については、新制度を決めてから同意確認の予定です。 |