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入院患者の足指の爪ケアが「爪はぎ」「虐待」であると誤解をうけて逮捕され、一審では傷害罪とされたが、控訴審で正当な看護行為であると無罪を勝ち取った爪ケア事件のUさんの話を聞く機会があった▼淡々と話した辛い経験は省略するが、第二・第三の自分をつくりたくないとの強い思いが支えだったという▼「高齢者の爪は肥厚しボロボロくずれ、放っておけば巻爪になるが、きちんとケアすればきれいな爪が甦ってくる。爪切りは教科書にもほとんど載っていなくて患者さんから学んだ。どう切ったら爪がきれいになっていくか一番の先生は患者。患者さんに触っていれば、自然に勉強できる。今は教科書になくても、ケアをして成果を生んで、新しい技術になっていく」という看護への向き合い方が印象的だった▼「看護師の白衣はかっこいい。今はデイケアなのでポロシャツだがやっぱり白衣が着たい」と看護師への思いを語った▼特に若い看護師に「看護師は患者さんのホっとした顔、笑顔がみたいもの。おそれずに患者さんに触れてほしい。触れて初めてわかることがある。同僚や先輩が守ってくれる。どうしたらよいか悩んだら相談すればいい。何かの答がある。一緒に考えれば案がでてくる。一人じゃなく誰かといるから生かされている」と、力強い言葉を贈った。
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