■大会宣言
全日赤は、第66回定期全国大会を7月9日から11日までの3日間、静岡県浜松市で開催し、代議員、オブザーバー、役員など144名の参加で活発な討論を行い、満場一致で2011年度運動方針を決定し、新役員体制を確立しました。
3月11日に起きた「東北地方太平洋沖地震」と大津波、東電福島第1原発事故は日本観測史上最大の災害となりました。被災地の病院・施設では自らも被災者である医療・介護労働者が救命・救護などに文字通り不眠不休で奮闘し、全国の日赤施設から救護・救援に派遣された人も、職場に残り支えた人も、全力を尽くし医療・介護を支えました。
震災支援の中で、政府がすすめてきた「規制緩和」路線による自治体リストラ、公的病院の統廃合、医師・看護師・介護職員の人手不足により、必要な医療・介護が提供できないことが明らかになりました。一方政府は、震災の復興を口実に、財源を消費税増税や医療・社会保障費の抑制などで対応しようとしています。今、必要なことは、医療・社会保障に大幅な公費を投入し安全で安心な地域医療を拡充すること、医師・看護師・介護職員を大幅増員することです。私たちは、政府による大増税や医療・社会保障の抑制を許さず、共同を広げ、国民要求の実現にむけ、全力でたたかっていきます。
大会には被災地石巻単組の代議員が、困難ななか参加し、元気な姿を見せてくれました。
全日赤にとって最重要課題の組織拡大・強化は、組合員一人ひとりが組織担当者になろうと、全単組・全組合員が一丸となって奮闘した結果、減少傾向に歯止めをかけ、増勢に転じて大会を迎えることができました。
大会では、職場の要求に根ざした各単組の取り組みが、本当にいきいきと活発に語られました。このことは業務が忙しく困難が山積しているなかでも、組合員の結集に努力してたたかったからこそ前進でき、そのなかで更に組合員を増やす力強いたたかいを実践したからに他なりません。
昨年5月に結成し、全国や地域の仲間からの支援を受けて団交を重ね、事実上の「雇止め撤回」を勝ち取った長野県赤十字血液センター単組のたたかいは、非正規労働者の雇用を守る未来を切り開きました。安全で行き届いた看護実現の課題での、病棟の人手不足でやりたい看護ができないと悩んでいる若い看護師が、「病院が好きだといっているうちに良い環境をつくっていきたい」との発言は印象的で、看護師が働き甲斐を持って働き続けられる職場づくりに全力で取り組まなければなりません。
また、パワハラに関する発言が多く、職場ではコミュニケーションが不足し、人間関係が構築しにくい深刻な事態が進行しつつあります。今こそ、人間らしく生き、生活できる職場と社会を実現するため、全日赤の存在と力量を大きくし、全力で粘り強くたたかわなければなりません。
今大会で報告された全国の仲間の貴重なたたかいの成果と豊かな教訓を基礎に、決定された運動方針を全力で実践するための保障である組織拡大で、8000名全日赤の組織回復を早期に実現しましょう。
施設の「経営効率優先」の経営姿勢を許さず、「安全・安心」を最優先にし、民主的な職場づくりと働くルールの確立で、労働者の健康と働き甲斐を守るため、そして患者・献血者・施設利用者のための医療・血液事業・福祉を提供するため全力で奮闘します。
格差社会・貧困の拡大が社会的問題となっている今こそ、憲法を守り、職場に生かすことが必要です。人が人として人間らしく働き生きることが出来る世の中にするために全力をあげてたたかいます。
以上、宣言します。
2011年7月11日
全日本赤十字労働組合連合会第66回定期全国大会 |