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機関紙「日赤労働者」

大会宣言

 全日赤は、第65回定期全国大会を7月23日から25日までの3日間、愛知県蒲郡市で開催しました。代議員、傍聴者、役員など144名の参加で活発な討論を行ない、満場一致で2010年度方針を決定し、新役員体制を確立しました。
 今大会の直前に行われた第22回参議院選挙では、政権党である民主党が敗北し、自民党が改選第1党になりました。自民党は、「消費税10%」を参院選のマニフェストとし、菅首相も「参考にさせていただく」としており、早ければ2012年にも引き上げることを狙っています。しかも自民党も民主党も、「公務員の人件費2割カット」をうたっています。これに今回躍進した、「みんなの党」の動きと併せて、私たちのくらしや景気に影響を及ぼすこうした悪政に対し、全労連・医労連に結集して断固阻止するためのたたかいを行っていきます。
 全日赤は、昨年の大会以降、新たに「釧路さかえ保育園」と「長野県赤十字血液センター」の2つの単組を迎えることができました。それぞれの組合結成に至る契機は、パワーハラスメント、非正規職員の雇い止めでした。今の企業社会で起きている問題の典型が赤十字の職場でも現れており、今職場では、働くルールが壊され、メンタル不全の労働者の増大など、かつてない深刻な事態が進行しつつあります。
 大会では、各施設で「法違反は許さない」「不正は認められない」、仲間の要求を大切にし、正論を掲げたたかう全日赤の単組・役員の取り組みがリアルに報告されました。武蔵野保育園単組代議員の「あきらめずに、要求し続けることの大切さ」「団結すれば、要求は前進する」との発言は参加者に勇気を与えました。また、青年組合員のいきいきとした活動報告が多かったのも特徴的でした。そして、経営側の休日出勤手当の一方的な廃止に対し、裁判を提起してたたかった広島単組の取り組みは、全国を励ますとともに、全日赤という組織の素晴らしさを改めて認識できるものでした。
 営利最優先の経営は、必ずどこかに歪みが出るものです。そのことは、安全軽視で重大事故など、数々の企業の不祥事が証明しており、結局、自らの依って立つ基盤をも掘り崩すのです。
 今こそ、労働組合の存在意義を堂々とアピールし、命とくらしが大切にされる社会、職場をつくるため、全力をあげてたたかわなければなりません。そのためには、どうしても全日赤の拡大強化、運動と世論形成がカギとなります。たたかいつつ組織し、組織しつつたたかいましょう。憲法25条が体現する医療・社会保障の実現めざし、患者・利用者とも手を携えて進んでいくことが必要です。
 今度予想される、日赤本社の人事院勧告準拠方針に基づく、いわれのない賃下げの阻止。この秋に予定されている、地域住民と共同し、医療・介護などの充実・再生を目的とする日本医労連の全国キャラバン行動の成功目指し精一杯奮闘します。
 以上、宣言します。

 2010年7月25日
 全日本赤十字労働組合連合会
 第65回定期全国大会

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