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機関紙「日赤労働者」

休日出勤手当 手当廃止指導 すぐ止めよ 全日赤本部が本社に申入れ

申し入れ文書を渡す岡田委員長(右)
申し入れ文書を渡す岡田委員長(右)

 全日赤本部は、広島赤十字病院休日手当裁判で、日本赤十字社が「全日本赤十字労働組合連合会と被告との間で締結された賃金協定に基づく、…休日出勤手当…」であることを認諾したことを受けて、3月31日、岡田委員長と中村書記長が本社に対し申し入れをおこないました。
 申し入れ内容は、(1)手当廃止指導を直ちに止めること(2)施設へは「協定に基づく手当」であることをきちんと指導する、の2点。
 本社は、「申入書をよく読み検討させていただく」と述べ受理しました。
認諾=原告の請求を正統だとする被告の陳述。

運動の前進に確信を
弁護士 上条 貞夫

 1 2007年4月16日、東京都労働委員会で、全日赤と日赤医療センター第一労組が日赤本社を相手取った不当労働行為事件の和解協定が成立しました。それは、日赤医療センターで40年にわたって支給されてきた、交替制・断続勤務に従事する職員の、祝日、所定休日の勤務に対する割増賃金を、2006年7月1日、団交も尽くさず一方的に廃止したことに対して、不当労働行為申立をしてたたかった中での和解でした。
  この和解協定には、2006年7月1日付けの廃止通告を同年12月1日付け廃止に改め、その間の支給停止額を支払うことと併せて、 長年にわたって組合が要求し続けてきた夜勤協定を締結すること、看護助手、保育士、調理師、透析室の看護師の労働条件の改善について協議していくこと等、病院側の一方的な姿勢を正し、不当労働行為の再発を許さない約束が盛込まれました。廃止通告に対して、カットされた割増賃金を取り返す裁判を提起するか、裁判よりも手続きの早い労働委員会提訴と運動を結合させて決着をはかるか、さまざまな条件を考慮して、後者の道が選択された結果の到達点でした。
 2 その翌年、2008年5月2日付けの広島赤十字・原爆病院労組に対する「労使慣行破棄」通告に対して、全国初の訴訟提起がなされたことは、本当に画期的なたたかいでした。協約違反を正面から法的に徹底的に追及する裁判です。労働委員会提訴と異なって、組合員の個々人が原告として正面に立つ。それは決して容易なことではありません。そこを職場から守り抜いて裁判提訴に踏み切った、その要求を広島の弁護団が守り抜いた。本当に、全国の仲間を大きく励ますたたかいでした。
 こちらの請求は「手当の不払いは労働協約違反だから支払え」ということでした。日赤当局は、一貫して「労働協約違反ではない」と主張していたものの、もう逃げられなくなって、裁判所で、こちらの請求を全面的に承諾しました。これが、裁判で「認諾」という手続きです。休日出勤手当の不払いが、全日赤と日赤本社の労働協約に違反していることを、日赤本社が裁判所で、裁判上の手続きとして「認諾」した。それならば、全国どこでも全日赤の組合員が居るところでは、広島日赤の裁判で本社が協約上の制度として認めた休日出勤手当は、全国どこでも組合員に支払われるべきです。これまで、休日出勤手当の支払いが不十分だったところは、広島日赤の裁判で日赤本社が「認諾」した中味のレベルまで、支払うよう要求出来るのです。日赤医療センター第一労組に引き続く運動の大きな前進の中で、この新たな到達点が確保されました。当局の巻き返しを許さず、さらなる運動の前進が期待されます。


2010年3月31日

日本赤十字社
社長 近衞 忠W殿

全日本赤十字労働組合連合会
中央執行委員長 岡田 光久

休日出勤手当について

 休日出勤手当問題について、日赤本社と全日赤で現在確認されていることは、「休日の勤務を振替でやるか代休でやるかはそれぞれ現場で協約、規則を運用・適用していくものであり本社は言及する立場にない。一義的に現場で判断すべきものである」(2004年4月26日本社団交)ということである。この確認に基づきそれぞれの施設で休日出勤手当が取り扱われてきていたが、この間、本社の施設監査等により規則違反の手当であるとの一方的解釈で手当廃止の指導が強められている。
 その本社指導の下、手当を一方的に廃止した広島で争われた休日出勤手当をめぐる裁判では、日本赤十字社が「全日本赤十字労働組合連合会と被告との間で締結された賃金協定に基づく、…休日出勤手当…」であることを認諾した。

 この新たな状況をふまえ、以下の2点を申し入れる。
(1)「規則違反の手当であるとの一方的解釈での手当廃止の指導」は直ちに止めること。
(2)引き続き本社本部間の「確認」に基づいて取り扱うものであるが、その際に現場からの問い合わせおよび施設指導に当たっては、この裁判で本社が認諾したとおり、「手当は労使協定に基づく手当」であることをきちんと回答および指導すること。
 以上の2点を強く求める。このことが実施されることで、現場での不必要な労使対立、労働争議を防ぐことが出来ると確信するものである。

以 上

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