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機関紙「日赤労働者」

2010年春闘学習会 『医療労働者の夜勤の有害性』 労働科学研究所 佐々木司先生が講演

 2月8日、日本医療労働会館2階に於いて春闘学習会を行いました。今号では、労働科学研究所の佐々木司先生に「夜勤の有害性」について講演を紹介します。

夜勤の評定のポイント

 夜勤を評定する3つのポイントは、「安全」「健康」「生活の質」です。前者の2つは、事故が起こったり、病気になったりするなどマイナス面として表れわかりやすいですが、「生活の質」は、休みに旅行に行き、リフレッシュしたなど、プラス面として見えてくるもので、見落としがちになります。今まで、安全や健康面で語られることの多かった夜勤。私たち夜勤する者が社会人として、生活者として夜勤をとらえることが重要です。

圧縮勤務は問題がいっぱい

 週休2日制の3交替では、1日の労働時間は、7時間54分ですが、長時間夜勤では、1日の労働時間が延びます。このようにまとめて働く勤務を圧縮勤務といいますが、「3交替の時より夜勤人員が減っている」「申し送りがなくなっていいのか」「情報収集のための就業時間前時間外労働(前残業)が増え、さらに長い勤務になる」「連続休暇が有効に使えない」など、問題があります。

生理的に眠りにくい睡眠禁止帯

 イスラエルの睡眠学者のラヴィ教授が1986年に生理的に眠れない時間(睡眠禁止帯)が19時付近であることを発表しました。「日勤―深夜」勤務の間に眠れない時間帯があるのです。なので、「日勤―深夜」勤務では疲れが取れず、さらに日勤は定時に帰れないとなると、もっとつらい勤務になるのです。また、「準夜―日勤」の勤務は、準夜の居残り残業が他の勤務に比べ異常に長いこと、準夜勤務後心身ともに睡眠に適するような状態にするには時間(90分)がかかることと、次の日寝坊するのではと不安があるときの睡眠(注意睡眠)は、睡眠の質が落ちることで、疲労がたまりやすくなります。

逆循環勤務の有害制

 「日勤―深夜」や「準夜―日勤」の勤務の組み合わせ自体が有害であるという研究が増えています。人間の生体リズムは25時間なので、「日勤―深夜」のように時刻を早くする勤務編成(逆循環)よりも、「日勤―準夜」のように時刻を遅くしていく勤務編成(正循環)のほうが体に新しいリズムを調整しやすいのです。

ルーテンフランツの9原則

 悪影響を減らすには、個人の努力以上に勤務体制の工夫など、組織的な疲労対策が必要です。世界的な対策基準として知られているのが、1982年にドイツのルーテンフランツが提唱した9原則があります。まずは職場ごとの問題点をだしてみましょう。

〈ルーテンフランツの9原則〉
1.夜勤は最小限にとどめるべき
2.日勤の始業時刻は早くすべきでない
3.勤務交代の時刻は個人のレベルで融通性を
4.勤務の長さは労働負担の度合いによって決め、夜勤は短くする。
5.短い勤務間隔時間は避ける
6.少なくとも2連休の週末休日を配置する
7.交代方向は正循環がよい
8.交代の1周期は長すぎないほうがよい
9.交代順序は規則的に配置すべき
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