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 つい先日、アメリカ人映画監督マイケル・ムーアのドキュメンタリー映画『キャピタリズム(資本主義)/マネーは踊る』を観に行った。アメリカの市場化された医療政策の現実を扱った『シッコ』でお馴染みのあの監督の最新作だ▼ルール無き資本主義がもたらす凄まじいまでのアメリカの現状。たった400人の富裕層が1億5千万人の庶民の全財産を合わせた額以上の財産を所有する。企業は自社の従業員に何千万円もの保険を掛け、従業員が死ぬと企業の利益としてそれを受け取る。死んだ従業員の家族には一円も渡さない▼今回の映画は全く笑え無い。日本にも“派遣村”が出来た。アメリカ国民が抵抗しうる手段は選挙、デモや告発、ストをする市民・労働運動。しかし自由に労働組合を作る法律は無く、2千万円の学生ローンを組まなければ満足に勉強も出来ない。抵抗出来る知的財産、経済余力さえも“資本主義システム”によって略奪されている。映画の最後に日本のことが触れられた箇所がある。「日本では自由に労働組合を作れる」ムーア監督がエンディングロールで流した曲は労働歌『インターナショナル』であった。安定しない経済は全ての人にとって不利益になるはず。住居を奪われることなく仕事も続けられる為に、労働組合は社会に取って必要不可欠なシステムだ。

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