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機関紙「日赤労働者」

こんな場面で活躍しています

 全日赤の組合員の中には、県労働委員会労働者委員や労働審判員として、新しい分野で活躍されている方々がいます。ここに紹介する3名は、ともに県医労連の重要な任務を担いながらのご奮闘です。2010年を迎えて、活動内容と抱負を寄せていただきました。

京都地方裁判所労働審判員として2期目
京都医労連執行委員長
全日赤京一単組執行委員 森田しのぶ

森田しのぶ 謹んで、新春のお慶びを申し上げます。
 労働審判制度は、2001年6月、司法制度改革審議会意見書の提言を受け、「労働検討会」での議論を経て2004年4月『労働審判法』が成立。
 個々の労働者と事業主との間に生じた労働関係に関する民事上の紛争(個別労働関係民時紛争)を、裁判所で調停でも訴訟でもない迅速・適正かつ実効的に解決するための新しい紛争処理制度として2006年4月施行。
 事件ごとに、労働審判官(裁判官)1名、労働審判員2名(労使各1名)、3名の「労働審判委員会」で原則3回以内の期日で審理し、審判員は労使それぞれの立場を代弁するのではなく、審判官と同じく中立公正な立場で事件解決に携わることが義務付けられています。
 審判員は、労使団体から推薦を受け最高裁判所より任命(1期2年)されます。
 06〜09・12までに11件の時間外手当不払い、解雇・雇い止め・契約終了etcに関わりました。
 単組ではこれまで、関係するところをその都度学びながらの実践だったが、実際の事案では、経営形態・背景等の違いに毎回悩みながらも具体的法に照らし審理しています。その中で、如何に組合がない労働者が弱い立場にあるかがわかりました。あらためて、労働組合として労働者を組織し強く大きくすることが大切だと感じています。
 微力ではありますが、今後も誰もが人間らしく生き・働ける社会を目指し奮闘したいと思います。

滋賀県労働委員会労働者委員として
滋賀県医労連執行委員長
全日赤大津単組副執行委員長 宮武真知子

宮武真知子 昨年四月に労働者委員として任命されて以来、すでに4件の事件にかかわっています。労働委員会の運営や審議の進行等、わからないことばかりの中で十分組合員や労働者の願いに応えられているか不安ばかりの1年でした。事件を通して感じることは、「貧困」と「格差」社会を目の当たりし、怒りがこみ上げてきます。
 この間「規制緩和」政策として制定された、人間扱いしない派遣法の悪法ぶりを、事件のたびに見せつけられている現状です。政権交代でこの事に歯止めがかかるのでしょうか? 派遣法の成立に、民主党は賛成の立場でした。
 医療職場にも、派遣・請負業者の参入が進行している中で他人事ではないと思います。一緒に働いている派遣労働者が悪いわけではありません。何とか一緒に闘えないものかと執行委員会でもいつも話題になります。
 さて今年は、政権交代後初めての参議院選挙があります。選挙に参加することで生活が変わることは昨年の選挙で明らかになりました。みんなで選挙に行って、国民・患者さん・医療福祉労働者の生活と働きがいのある職場に変えたいものです。

長野県労働委員会労働者委員として
長野県医労連副執行委員長
全日赤長野単組執行委員長 矢口 保子

矢口 保子 2008年4月21日付の辞令で長野県労働委員会の労働者委員に任命され、あっという間に2年近くが過ぎようとしています。
 労働委員会では毎月の定例会議を総会といいますが、初総会時大変緊張しながら他の公・労・使委員、事務局職員の皆さんと、内心ドキドキしながら平静を装い名刺を交わし自己紹介をしたことが昨日のことのようです。
 労働委員会で使われる用語は法律にかかわることが多くちんぷんかんぷんの上、労使の主張をきちんと聴いて労働者を救済するという労働委員としての役割を果たしていくには、ひたすら勉強しなければ力量が伴わないと機会あるごとに研修の日々で、全国や関東ブロックの会議で県外に行くことも多くあります。
 本来労働委員会制度は集団的労使紛争の解決を目的としていますが、昨今の労働者をめぐる環境の悪化から個別労使紛争が増加傾向にあります。
 私が担当した件数は多くはありませんが、不当労働行為救済申立事件は審問することなく関与和解し、個別労使紛争あっせん事件・集団的労使紛争あっせん事件を数件担当し、12月初旬に外国人派遣労働者の解雇事件が1件解決したところです。
 労働委員会の活性化、労働委員などの月額報酬問題、労組法上の「労働者性」否定の判決等、労働委員会を取り巻く問題は山積しています。が、より良い労働委員会目指し、皆さんと一緒に奮闘したいと思っています。

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