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機関紙「日赤労働者」

二〇〇九年度 賃金改定妥結・調印

 全日赤は、二〇〇九年度の賃金交渉を続けてきましたが、本社の賃金引き下げ回答を一定引き戻したことと合わせ、医療職(二)の深夜手当改善要求に対する一定の前進を勝ち取ることが出来ました。賃金の引き下げは許し難いものですが、人勧準拠反対のたたかいにおいても前進回答であると判断するとともに協定を締結することが重要であると判断して、中央委員会(一一月八日〜九日)にて妥結を決定し、一一月一一日に「賃金協定の一部変更に関する協定書」と「交渉議事録」(いずれも一〇月五日付け文書)に調印しました。

交渉経過について

 全日赤の賃上げ要求に対して、日赤本社は、八月二八日の団体交渉で回答メモを提示し、二〇〇九年度の賃金改定についての回答を行いました。人事院勧告同様に若年層および医療職(一)を除く俸給表の引き下げの一〇月実施を回答し、現給補償の額も引き下げを示唆しました。
 全日赤は「賃金・一時金の引き下げ反対署名」を展開しながら、九月一五日の団交で、「実施時期を一月とする」「現給補償は引き下げない」「医療職(二)の深夜手当改善」を第二次回答として引き出し、九月三〇日の団交で今までの継続協議事項に加え「拘束・待機手当要求」および「時間外労働に関する本社見解提示要求」について引き続き協議することを確認しました。

人勧準拠反対について

 人勧準拠反対の視点から、第一次回答の住居手当の廃止を行わないことに加えて、第二次回答では、現給補償額の引き下げを行わせなかったことや実施時期および年間調整についても人事院勧告に準拠せず日赤独自の回答を引き出したことは、全日赤が一九六七年以降、一貫して人事院勧告準拠反対でたたかい続けてきた長年の運動の成果として評価できるものです。
 人事院勧告では「自宅に係る住居手当の廃止」が盛り込まれていましたが、本社は「民間準拠であり、公務員の住宅事情は民間とはちがうので、日赤は住居手当を今までどおり支給する」と考え方を示しました。「世間(人事院勧告)並み」を盾にしてきた本社主張を本社自ら覆し、全日赤が主張しているように日赤の職場実態に即した賃金改善が出来ることがまたも立証されたものです。

賃下げを一定押し戻す

(1)俸給表の引き下げを一〇月から来年一月と回答させたことで、実質的な賃下げは三ヵ月間となりました。賃下げ額が二〇〇円から六〇〇円の間であり、来年四月の定期昇給では引き下げ額を上回ることになります。また一月実施としたことで冬の一時金の算定基礎は賃下げ前の俸給を用いることになります。
(2)現給保障の引き下げを行わないことで、対象者は今までどおり現給が保障されますので、約一、〇〇〇円の賃下げを阻止したことになります。
(3)人事院勧告どおり「自宅に係る住居手当の廃止」を日赤でも行ったとすれば、手当を受けていた者は、二、〇〇〇円(取得後一〇年以内の者は四、五〇〇円)の賃下げとなっていました。これを阻止したことは全日赤の長年に渡る追及の成果であると言えます。私たちの要求は改善であり引き続く追及が必要です。また賃貸に対する手当の改善を追及した結果、本社に「検討課題である」と答えさせました。

医療職(二)の深夜手当改善

 医療職(二)の検査課や放射線課などは、違法当直を是正し勤務に切り替える施設が増えてきていることから、同じように夜間に勤務している看護師等と深夜手当が違う矛盾を全日赤は追及し続けてきました。今回、交替制など勤務として働く場合の所定労働時間内における深夜に勤務をした時の深夜手当については、看護師等と同様に五割増しプラス五二〇円が加算されます。ただし、当直中の深夜帯に実労働を行った場合や、三交替の場合で深夜帯に時間外労働を行っても、その深夜手当は従来通りの二割五分増しのみとなります。引き続き改善要求を出し追及していきます。

時間外手当の改善

 労働基準法の改正を踏まえ、時間外労働時間が一箇月について六〇時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、勤務一時間当りの給与額の五割で計算した割増賃金となります。全日赤は、団交において法の改正は「時間外労働をさせないためのペナルティー強化」であることを強調し、このペナルティー強化が施設によるサービス残業の強要につながらないよう施設指導の強化と本部本社間交渉による基準を示すべきであることを追及しました。

感染症作業手当

 伝染病作業手当の名称を変更するとともに、従来では法律に規定された感染症を対象としてきたものを「社長が認めた場合」も対象となります。全日赤は、対象とする感染症の設定など詳細については引き続き協議し決めるよう申し入れました。本社は「一類や二類に相当するとは人事院規則を参考にするものである」との考え方を示しましたが、協議することには同意しました。

労使協定の重要性

 第二次回答において、現給保障の引き下げを断念したことおよび実施時期を一〇月ではなく来年一月にさせたことは、全日赤の賃金協定の存在が大きく影響しているものです。現給保障については、二〇〇六年の給与構造改革の名の下に大幅な俸給表の引き下げを余儀なくされましたが、一方的実施ではなく交渉の到達点として合意をし、協定化するに際して現給保障も含め協定したからこそ安易に引き下げることが出来なかったものです。
 二〇〇九年度賃金改定においても一部の賃下げを余儀なくされましたが、全日赤は人勧準拠反対の視点や協定の重要性など総合的に判断し妥結を決定し調印しました。今後も賃上げ要求を高く掲げ、労働者の生活実態や職場実態に目を向けた賃金改善を追及していきます。

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