■本社看護部との労使協議会行う その2
『委員会は業務』『研修はレベルIIまでは病院の責任』
●離職防止対策と夜勤・交替制勤務実態調査について
看護部長:昨年度の離職率は、九・一%(一昨年度一〇・一%)、新人は六・六%(一昨年度八・四%)である。検証できていないが、勤務態勢の多様性や、研修を細かくやってきたことで離職率がさがった。そして景気が悪くなったことも原因だろう。平成二〇年三月に研修やメンタルヘルスのフォローなどの新人フォローアップの一式を出した。
全日赤:看護協会の行った夜勤・交替制勤務実態調査についての感想は?
看護部長:データからは時間外労働・長時間勤務が多い。実態は厳しい。アンケートの中に日赤職員も入っているが、どのくらい調査・回答したかはわからない。時間外労働については、私たちのデータと違う。時間外労働は二三・四時間だが日赤は八時間(七・四八時間)でかなり少ない。
全日赤:始業前から業務を行っており、実際は時間外労働が多い。看護協会の調査でも四割しか請求できていない。
看護部長:八時間(七・四八時間)は、病院調査で実際に払われた金額である。
全日赤:時間外労働について、「村上優子さん裁判」の判決文をみて感想は?
看護部長:委員会は業務である。研修は見解が違うが、一定のスキルまでは病院の責任で研修を行う。レベルIIまでは病院の責任と考える。その後は個人のスキルアップで行うものであくまでも自分がやりたいわという研修である。
全日赤:強制はしないのか?
看護部長:そうです。
●造影剤の静注について
全日赤:造影剤の静注を看護師にやらせている施設がある。看護師は医師の代わりではなく問題だ。医師が近くにいる場合もあるが、コールブルーで全館から医師を集めることもある。
本社:役割分担の問題。看護師が専門職として進めるなら、責任の取れる形で行う。やれることとやれないことの線引きをすべきで、やれることはみんな出来るよう訓練し、だれがどのようにするのかまで細かく決めるべき。
全日赤:造影剤のショックはすぐにでる。医師が来るまでのタイムラグがあり、患者の安全と安楽のために看護師がいる。
本社:救急体制も含めて事故にならないように病院として体制を整えるべき。
『育休は必要なことなので取っていきましょう』『代替要員は必要』
●育児短時間勤務制度について
看護部長:育児短時間勤務制度(以下:育短)は必要なことなので取っていきましょう。研究会を持ち、アイディアを出し合った。危機感のあるところもある。代替要員が必要でどんなに努力しても出来ない所があり、看護部として人事交流を考えている。採用できる施設で取ってもらい足りないところに人を送る。『こんな病院で働きたい』とか『こんな研修に参加したい』という人を集め、病院からアピールをだし、本社でデータを集めマッチングをする。
全日赤:あくまでも本人の希望なのか?
看護部長:本人の希望です。
全日赤:五〇〇人の看護師のうち一〇人が取るとしたら代替えも必要になる。育短の人をプラスαとして配置しないといけない。
看護部長:現実的に確保出来るのか問題はあるが、制度にすればやらないといけない。
全日赤:育短実施までに、『夜勤出来ない人はパートや職託になりなさい』と指導しているのか?
看護部長:指導していない。
全日赤:現在、部分休業でさえ時間で帰れない。部分休業取っている人が結局退職することになった。残される人も、帰る人も大変で、どこの職場に配置するのか、職場でもめる元になる。育短とあわせて、ある一定の年齢きたら夜勤免除というか夜勤日数をへらすことも検討してほしい。働き続けられるし、人材の確保もできる。
●認定看護師・専門看護師の処遇について
全日赤:あるETナースは褥瘡の経過を写真で記録しているが、全部自己負担でしている。時間外も取れないなど苦労も多い。職場でがんばっているが、研修の行き方も病院負担と個人負担がある。後輩の看護師があとに続いていけるようにしてほしい。
看護部長:昨年までの集計で認定看護師は三九三名(全国四四五八名)、専門看護師一五名(三〇四名)いる。それなりの手当があればいいと思う。ただ、資格を持つ人が他の職種でもあるので横並びにはならない。特昇の対象にするようにいっている。 |