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 WBCでの侍ジャパンの活躍が記憶に新しい。「サムライ」と聞いて、葉隠(はがくれ)=『武士道とは死ぬことと見つけたり』を連想しました▼命を惜しまず闘うという「武士道」が確立したのは江戸時代、戦はすでにありませんでした。当時の支配階級の武士たちには「行くところがない」ので、机に向かって武士道をつくったのです▼儒学者の山鹿素行は、農工商三民が一生懸命働いて飯を食べているのに、自分たちは働かずとも衣食住が足りているという「うしろめたさ」を消すために「道」が必要だと説きました▼〇二年二月から始まった景気拡大は、五年九カ月継続(〜〇七年十月)し「戦後最長」でした。おおざっぱに言うとこの間に大企業は、利益はバブル期の二倍、内部留保も二倍に積み上げ。役員報酬も二倍、株主配当は三倍にする一方で、従業員の給与はむしろ減らしました▼小泉構造改革と追随する勢力は、労働法制の改悪でこれらを後押し、その結果サービス残業や偽装請負などの無法が横行し、格差と貧困が急速に広がりました。そして今不況に直面するや、「非正規社員切り」などの大リストラを競いあっています▼こうした流れを変えるには、私たち自身が力を持つべきではないでしょうか。たたかう労組が大きくなれば、それは政治的な意味を持つのです。

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