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年越し派遣村 ここから世直しを

写真 「不況になったとたんに仕事と寮を奪う、そんなことを許していいはずがない。こんな世の中はおかしい、という流れをつくりたい」
 「派遣切り」などで仕事や住まいを失った人たちを支援しようと昨年十二月三十一日〜一月五日、労働組合や弁護士、市民団体などでつくる実行委員会が開設した「年越し派遣村」は、最終的な村民数は四百九十九人となり、うち生活保護申請した人は二百九十人にのぼりました。ボランティアには千六百九十二人が参加し、現金だけで二千三百十五万円のカンパが寄せられました。

五〇〇人が命つなぐ

 派遣村の教訓は、(1)行政が本来やるべきものを村が実践してみせたこと(2)幅広い労働団体と市民団体の連携で社会運動を展開したこと(3)乱暴に職と住まいを奪われた労働者の苦境をだれにも見える形で世の中に発信したことにあります。
 行政もやっと重い腰をあげましたが、派遣・非正規労働を大量に生み出し、企業が使い捨てにした「人災」は、東京の日比谷公園だけでなく全国に広がっています。今年三月の年度末にかけて「派遣切り」がさらに横行することも確実視されており、年末年始の派遣村村民を救うだけでは、問題は解決しません。

派遣法は抜本改正を! 「派遣村」実行委員会

 派遣村村長でNPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠さんは、「派遣村はどん底まで落ちた人が上がっていくステップをつくった」「派遣村の内と外は紙一重。派遣村の外についても政治や社会全体で考えなければならない」「人が使い捨てにされる状況は続いている。それを変えていかなければならない」と強調。村民を引き続きサポートしていくとともに、労働者派遣法の抜本改正や「派遣切り」などを認めない緊急特別立法の制定を求めていくとしました。

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