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機関紙「日赤労働者」

医師確保 調整手当・定額分 の限度額410,900円に引き上げ 育児のための短時間勤務制度を検討 裁判員等の特別有給休暇を整備 8・27本社団交 労働時間短縮を検討

 日赤本社は八月二七日の団体交渉にて、来年四月より医師確保調整手当を改善する回答をしたものの、全日赤の賃上げ要求には応じずに「俸給表の改定は行わない」とベアゼロ回答を行いました。また医療職(二)表適用職員の夜勤手当改善や寒冷地手当の引下げ凍結など全日赤の重点要求に対する前進回答は得られませんでした。一方、「労働時間の短縮を検討する」ことや「短時間勤務制の導入」「裁判員制度への対応」について答えました。
 全日赤は、医師だけでなく全員の賃金引き上げを行うよう求めるとともに、春期交渉での重点課題を含め賃上げ要求に対する前進回答を行うよう本社を追及しました。しかし、医療職(二)表適用職員の夜勤手当改善要求についても、本社は「施設の実態調査を行ったが、深夜帯での繁雑さは見受けられない」として手当改善の回答は行いませんでした。その他、福祉職の昇格基準改善や寒冷地手当の引き下げ凍結などの要求についても前進回答は引き出せず、引き続き協議するに止まりました。


○時間短縮について、具体的な時間数を示しませんでしたが、人事院勧告を参考にしたいと本社は発言しており、週三九時間三〇分を三八時間四五分とする回答が予想されます。全日赤の統一要求である週三五時間から比べれば不十分であるが一歩前進として評価し、三五時間への検討と合わせて、交代制勤務者のさらなる時間短縮を行うよう追及しました。
○育児のための短時間勤務制度については、今まで子育てをしながら仕事をする場合に、不当にパートに身分替えさせられる施設もあったことから考えると、正職員として働き続けられる制度であると認識するが、一方で「フレックスタイムにつながり兼ねない」「増員がなければ他の職員にしわ寄せがくる」など否定的に見る意見もあることから、全日赤の対応は保留しました。
○裁判員制度にかかる特別有給休暇の整備について、全日赤は裁判員制度の見直しが話題となっていることを指摘しながら、特別有給休暇とすることには反対しませんでした。また、嘱託、臨時、パート職員も同様に特別有給休暇とするよう追及した結果、就業規則参考例にて同様の取扱いを明記するとの回答を引き出しました。
 その他、サービス残業が後を絶たないことや年休が取れない状況を改善するため本社として対策を講じるよう追及するとともに、違法当直に対する是正指導を行うことや派遣・請負など下請け労働者についての本社の考え方を追及しました。本社は「遵法は当然である」との姿勢を示しはするものの「施設の事情もあるので一様な指導はできない」との姿勢に終始しました。しかし交渉の中で「法律で派遣は一時的なものに限られている」と答えさせ、個別の指導は行うとの回答を引き出しました。

10・6本社要請行動に向け職員署名の取り組み強化

 賃上げ交渉では、医師確保調整手当の改善を除き、私たちの要求に対してゼロ回答であると言えます。また労働条件については、時間短縮の検討など一定の前進回答はありましたが要求から見れば不十分ですし、サービス残業の横行や年次有給休暇も取れない職場実態の改善についても、本社は施設まかせにする態度に終始しています。
 全日赤は、九月二四日(水)に次回団交を申し入れ、賃上げ要求をはじめとする統一要求の前進をめざして本社追及を強めます。その際に職場からの「一言メッセージ」、職員の生の声を活かして追及していきます。
 一〇月六日(月)勤務評定反対本社要請行動に向けて「勤務評定の中止を求める職員署名」の取組み強化を要請します。

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