■「勤務評定」撤回めざし、本社要請行動展開
一〇月九日(火)曇り空の下、『勤務評定導入阻止』本社前行動を行いました。参加者は五〇名を超え、日本医労連、公共労、健保労組、全医労の代表が激励と応援に駆けつけてくれました。
日本医労連の西川書記長は「団交や要請行動に何回か参加したが、勤務評定について本社は何の説明もしていない。解説をしているだけだ」と批判、全医労の小玉氏は「今年九月から国立病院・機構でも、業績評価という形で成果主義が試行された。来年三月の本格実施阻止に向け、現場で奮闘している」と力強い発言をされました。
全日赤・中村書記長は、今まで導入に肯定的だった日赤の各施設の経営者から、「組合の言うことも分かる」「本社が責任を取らないと分かったから反対する」といった声を聞くようになった。この制度が本社の押しつけでしかないことは明白だと訴えました。
医師・看護師不足に拍車をかける
その後、本社地下の会議室で本社の人事課長、職員課長を前に要請行動を行いました。
現場からは、「全日赤は一貫して反対している。それでも制度を入れる本社のメリットは何なのか」「勤務評定は地域医療の崩壊につながる。赤字で大変な中、それでも少ない医師・看護師を経営者は自ら探し出して集めている。やっと確保出来た医師・看護師が辞めていく」「地方は師長さんが顔見知りだったり地域の繋がりが強い。友人や知人が評価をすることになる。評価される側も、する中間管理職も辞めていく。メンタルを病む人が増える。チームでやっている医療を壊して欲しくない」という悲痛な訴えが数多く出されました。
それらの訴えにも本社・服部人事課長は、「職員の勤務状況を把握して昇給に反映させ、やる気を出させる。一年間を通し、上司と部下のコミュニケーションを密にして人材育成につなげる」「評価は必要との声も無いではない」と導入の姿勢を崩しませんでした。
これに対し組合側は、「評価されたいと思ってはいるが、『ランク付け』して欲しいとは誰も思っていない。チームワークが壊れる」と反論しました。
武蔵野保育園の若い保育士さんは「地域のお母さんからも入園を希望される歴史のある保育園で職員も子供ものびのびしている。上の評価を気にして保育をしていたら子供の将来性にも影響する。人材育成どころか仮面をかぶった保育士になってしまう。子供だけじゃなく、お母さん達はちゃんと見てる。子供に影響すること、チームワークが崩れることが怖い」と切実に訴えました。
失敗の責任は、施設長に!
最後に中村書記長から、「本社は(導入し失敗した時)責任を取るのか」と問いましたが、本社側は、「責任は最終的には社長だが、まずは独立採算で経営をしている院長の責任でもある」と回答。それに対し太田委員長は、「本社が責任を取れないようならやめなさい。責任を取れない制度を押しつけるな」と怒りの抗議をしました。
最後の報告集会では、参加者は「勤務評定は医療崩壊・病院の崩壊」「メンタルヘルス悪化につながる」「断固反対」とシュプレヒコールを唱和。大きな声が本社前に響き渡りました。 |