機関紙「日赤労働者」
2025
春闘要求アンケート
賃金の不足感、増額
初めて不足額5万円台に
2025年春闘での要求アンケートは、31単組745名分(昨年24単組761名分)を集約しました。職場の不満では、昨年度2位だった「賃金が少ない」がトップとなり、賃金の不足感も昨年よりも増えた結果を示しています。
賃金・増員要求が上位
職場の不満に関する問のトップ3は1位が「賃金が安い」(18・9%)で一番多く、次いで「人員が少ない」(17・2%)で、三番目が「一時金が少ない」(8・9%)となりました。有効回答数から再計算すると「賃金が安い」(42・1%)「人員が少ない」(38・3%)、「一時金が少ない」(19・9%)になります。
また、昨年より割合が増えたのは、「成果能力主義が強まった」「労働時間が長い」「経営状態が悪い」「ノルマがきつい」「人間関係が悪い」「パワハラ・セクハラ」などでした。
50歳代「苦しい」生活実態
生活実態では、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせた「苦しい」と答えた人は、昨年より3・1ポイント増加し、52・9%となりました。
年齢別で見ると「苦しい」と答える割合は、年代があがるとともに高割合になっています。また収入が「増えた」は若年層ほど高くなっています。50年代までのトップ回答は「変わらない」で5割程度ですが、60代は「減った」が38・5%と回答しています。
食費 税・社会保障が負担
『生活実感』から負担に感じているものは、全体で「食費」が一番多く、昨年より8・7ポイント高くなっています。次いで、「税・社会保障」、「学費」、「住居費」となっています。また、「水道高熱費」が昨年よりポイントが上がっています。
不足感5万弱
「賃金の不足感」では昨年より平均1875円増加し、5万433円となりました。賃上げ要求額も昨年より1060円増加した、平均3万2570円となりました。要求額の平均は、初めて不足額5万円台となり、要求額3万円超えの数字となりました。要求額は切り上げて誰でも3万3千円の賃上げを要求し、併せて日赤の賃金体系が医労連の要求から見て下回ることから、体系是正含め5万以上円を要求としました。
「とても疲れている」増加
身体の疲れに関しては、昨年同様「とても疲れてる」「やや疲れてる」を合わせて9割以上(96・3%)が「疲れている」と答えています。
残業時間は減少傾向、しかし、残業無くならず
平均残業時間は、11時間17分で昨年より1時間35分減少しています。
またサービス残業も平均2時間39分で昨年より49分減少。平均のサービス残業時間を平均残業時間で割った「サービス残業率」は、23・5%で昨年より3・2ポイント改善していますが、月2時間39分のサービス残業を賃金に換算すると日赤全体の平均俸給額から計算して月額約8280円になり、日赤全体で約5・3億円にもなります。
時間外手当請求しづらい「周囲」と「能力」
時間外手当は、7割強の人が「請求できない」状況です。その理由で一番多いのは、昨年と同様に「周りがみんなしていない」(39%)で、次いで「自分の能力の問題」23・2%でした。
また時間外請求しない時間帯として、始業前の5割、休憩時間帯では4割弱が請求しないことが「よくある」と答えています。
年休
年休取得の設問は、今回は取得日数と保有日数、取得予定日数の調査をしました。「付与日数も取得日数がわからない」の回答は若年層になるほど増え、全体でも3割に上ります。
請求しない理由は、「職場に迷惑がかかる」「請求するなと言われる」「嫌みを言われる」でした。年休は労働者の権利であり、増員と請求しやすい雰囲気作りを広げる必要があります。
ハラスメント増加
「職場・施設にハラスメントがある」と答えたのが67・5%で昨年より0・5ポイント高くなっています。相談窓口は、「施設内の指定された窓口」31・9%と多いのですが、「どこに相談すればいいのかわからない」が15・8%、「労働組合」と「個人的に第三者機関」が7%、「施設外の指定された窓口」5・6%となっています。
勤務評定
「勤務評定は日赤に必要か」は、49・9%が「不必要」と回答し、「必要」は、13%で、「わからない」の回答は、37・1%でした。
定年制
「定年延長に賛成か」は、32・6%が「賛成」と回答し、「反対」は、20・6%で、「わからない」の回答は、48・8%でした。