機関紙「日赤労働者」
国内・外の労働組合代表と交流
「戦争反対、核兵器反対」をコール
被爆80年
条約を広げ実相を伝え
平和こそが安全・安心の医療提供
8月3~9日、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)などでつくる実行委員会は、被爆80年となる2025年の原水爆禁止世界大会を現地である広島と長崎で開催しました(Web併用)。全日赤代表が参加したヒロシマデー集会では、「『核兵器のない平和で公正な世界』への道を切り拓(ひら)くため行動しよう」と訴える決議「広島からのよびかけ」が採択されました。また、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が2024年のノーベル平和賞を受賞したあとの世界大会であり、国連の中満泉軍縮担当上級代表、オーストリア、メキシコの政府代表のスピーチや、国会議員も連帯のあいさつでも取り上げられていました。特に、継承のところでは、小学生の作った「わたしのねがい」の歌や、高校生の「原爆の絵」の取り組み(被ばくの実相を聞き、証言の絵を書く取り組み)が紹介され、地域や高校での「原爆の絵」の展示や「原爆パネル」の展示などの活動が紹介されました。
5日の午前中には、関連行事の「核兵器のない平和で公正な世界をめざす労働組合国際会議United As ONE」が開催されました。国内と海外の労働組合の代表たちが、なぜ労働組合が平和運動に取り組むのか、各国の平和運動の取り組みを交流しました。
また、午後からは2つのフォーラムと12の分科会も開催され、被ばくの実相の継承や国内の基地問題など、地域の草の根の運動など交流しました。夕方に開催された「核兵器なくそう女性のつどい」では、赤十字病院で働く姉を探すため入市被爆された方の証言を聞き、地域や各国での取り組み報告や、いろいろな国の言葉で「戦争反対、核兵器反対」をコールしました。
6日の広島赤十字・原爆病院慰霊祭では8時15分の投下時刻に合わせ黙とうと、献花がおこなわれました。当時、多くの人が病院のロータリーに助けを求め折り重なるように亡くなっていく凄まじい惨劇を二度と繰り返すことの無いよう世界平和を願いました。
核兵器禁止条約の成立させた各国の市民の草の根の運動を、今後、どのように広げ、被爆の実相を継承していくのかが、今回の世界大会のテーマであり、戦争には多くの資金が投入されることで、医療や教育などインフレにかかる必要な予算が削減されます。
平和でなければ、安全で安心できる医療の提供はできず地域で暮らしていくこともできません。平和のために労働組合が平和運動に取り組む意義や一市民として平和な世界をめざす取り組みが重要となっていると感じました。