機関紙「日赤労働者」
ネットワーク
単組を結成して以来、よりよい団体交渉とは何かを考え続けている。交渉とは一方的に要求を通す場ではなく、互いの立場や利益を理解し合い、持続可能な合意点を探る協議の場だ。成果を得るには、お互いの状況や主張の背景を分析し、論理的な根拠に基づく提案を準備することが欠かせない▼結成当初は、感情的にぶつかる場面も多く、施設との関係がぎくしゃくすることもあった。しかし、採血本数確保という事業目標はしっかりと達成しつつ、どうすれば現場の負担を軽減できるかを重視した具体策を提案したことで、施設側の要求に対する姿勢も前向きに変わったように思う。相手を敵視せず、対話の相手として尊重する姿勢が信頼を生み、建設的な議論へとつながっていく▼団体交渉では冷静さを保ち、自分たちの要求を明確に伝えながら、譲れる部分と譲れない部分を整理することが重要だ。関係者が多いからこそ、合意が長期的に機能するか、その影響も含めて考えていく必要がある▼交渉は対立ではなく、信頼と理解を深める機会でもある。立場の違いはあれど、共通の目的を見いだす姿勢が、要求前進への鍵になると感じている。(St)