機関紙「日赤労働者」
全ての職員に大幅賃上げを!!ゆとりある人員体制と労働条件の改善で人間らしい生活を!!
全日赤第79回定期全国大会議案(抜粋)
全日赤第79回定期全国大会は、7月12日(土)から13日(日)にかけて、Lstay&glow南砂町にて、集合形式で開催されます。各単組へは既に招請状を送付し、議案書も単組の必要部数を送付しますが、ここに大会議案の概要を掲載し、議案討議を呼びかけます。
はじめに
2024年度の特徴として、勤務評定結果の勤勉手当への反映の実施時期を2024年4月1日から2025年4月1日へと延期させたなかで、反映の撤回を求め、継続して協議をおこないました。本社は一時金への反映は撤回をせず、制度の安定的な運用をすすめていくことに固執しました。全日赤は、現場の声をとどけることで本社を追及するなか、本社から譲歩案を引き出し、実施時期も1年延期させましたが、実施時期を施設に通知することでの合意となりました。
勤務評定は廃止しかない
勤務評定が開始され1年経過したことにより「勤務評定」自体に大きな問題があること、人員体制が十分でない現場において、本来の患者・利用者への医療・看護・介護等サービスが提供できなくなっていることが明らかになっています。全日赤は「勤務評定制度」は定着おらず、医療の現場になじまない制度であり、止めるべきであると追及していますが、本社は追及に対して「定着に向けた取り組みを進める」としています。
全日赤は制度の定着および制度の安定的運用が実施する条件としていることからも、勤務評定に関する現場実態と声を集めながら、安定的な運用と定着がされていないことを本社に訴え、併せて、勤務評定結果の勤勉手当の反映撤回を求め、署名をさらに積み上げることで、勤務評定を廃止するまで全日赤の総力をあげてたたかいます。
全職員に実質的賃上げを
2025年度賃金交渉は、物価高騰が長引くなかで、人材確保のために昨年同様の賃上げ情勢となるなかで始まりました。本社は「世間において賃上げの機運が高まっている」との認識は示したものの、具体的な額・率・実施時期の回答はしていません。
全日赤は、人材確保に賃上げが必要であること、賃上げ姿勢を示すことを追及し、本社から「2025年度における給与の引き上げ改定の必要性は否定しない」「給与の引き上げの可能性について引き続き、十分に検討したい」との回答を引き出し、「交渉議事録」を取り交わしました。
2024年度診療報酬改定によるベースアップ評価料は施設や職種が限定されるものであり、すべての職員の賃上げとなっていません。また、経過措置により俸給調整給が支給されている職員は俸給調整給を超える俸給の引き上げが無くては実質賃上げとなりません。中堅層の賃金が頭打ちとなる制度の改善、俸給調整給の支給されている職員を含むすべての職員の賃上げを求め、働き続けられる賃金制度の確立を目指して奮闘します。
諸手当の見直し
5月6日に、本社より「扶養手当、寒冷地手当、地域手当の見直しについて」の提案がありました。2024年に人事院が勧告した内容を1年遅れで提案する内容となっています。全日赤は、賃金専門委員会で議論をし、本社を追及していく要求案の答申をだしました。特に、寒冷地手当については、経過措置により廃止となる施設がある中で、提案されている実施時期が今年の11月1日では、十分な協議がされておらず、組合員の意見も集約できていないことから、本社に対し、実施時期の見直しを追及します。
一時金闘争
一時金闘争の基本的なたたかい方は、(1)春闘時期に、本部本社間の交渉により一時金の「基本額(最低保障額)」として年間の支給月数等を決定します。(2)夏期交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、夏の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。(3)秋年末交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、年末の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
サービス残業は一掃
労基法に定められた36協定の上限規制を守らせる運動を締結時および締結後も追及します。また厚労省が出した「労働時間の適正把握のガイドライン」を活用し、始業前の情報収集や会議・研修が業務であることの確認を迫るとともに、「不適切事例」を用いた指導強化を追及します。併せて職場では「ガイドライン」の内容を学習しながら時間外手当請求運動を増員闘争と位置づけ取り組みを強化します。
労働者代表を勝ち取る
使用者は36協定を結ばずに時間外労働をさせると労基法違反となり罰せられます。そこで、過半数を組織していない単組の施設では、使用者側が組合以外の労働者代表を選出して、施設側に都合の良い36協定を結ぼうとする動きがあります。
単組では、全日赤の「労働者代表の手引き」や「36協定の手引き」を活用し、労基法違反の追及と労働者代表の民主的選出を追及するとともに、労働者代表を獲得するため奮闘します。
年休取得促進
全日赤は、年度内に「年休を取りたいんだ!プロジェクト(仮)」を実施し、年休取得促進をするため、全日赤本部は職場の雰囲気作りに活用できる「年休取得の手引き」の配布、ニュースやビラの発行、グッズ製作を検討するなど実質的な年休取得向上を図ります。
そして「労基法の基本学習会~年休取得から時間外手当請求まで(仮)」の開催を模索します。単組では年休および権利休暇の取得は増員闘争と位置づけ追及を強めます。
育児休業
「育児休業」「介護休業」は毎年のように改正されています
全日赤は改定内容を反映した「パパママパンフ」のデータ更新をおこない、全日赤のホームページに掲載します。単組はデータ資料、女性ニュースを活用して宣伝強化をはかるとともに、さらなる制度の充実を図るよう本社を追及します。
職場環境の改善
すべての施設に「労働安全衛生委員会」を確立し、労働組合から積極的に委員として参加します。委員会では、ハラスメント対策を含む職場環境の改善や健康診断の充実と併せ、医師の長時間労働の改善や各職場の労働時間短縮と増員を結合して、実現を迫る取り組みを強化します。
全日赤の要求により同性パートナーシップと事実婚を法律婚と同様にする取り扱いが実現しました。制度を気兼ねなく活用できるよう制度の理解を深める取り組みをおこなうよう本社を追及します。
定年制・再雇用制度
2月6日、日赤本社が「定年年齢等の引き上げ」に関する提案をおこないました。内容は定年年齢を65歳とし、63歳~65歳までの賃金は62歳年度の約70%、定年退職年齢62歳から65歳の引き上げがなされることで退職金の支給率(62歳までの現行制度の支給率と、63歳~65歳は新制度の支給率)も変更となる(経過措置あり)等でした。定年年齢引き上げと併せて、63歳以上のフルタイム以外の職員に残される再雇用制度に関して、特に住居手当や扶養手当等の手当を早急に支給するとともに、退職金支払いの改善要求の実現に向けて追及を強めます。
本部は、退職や再雇用を希望する職員向けの「FRESH・START(退職再雇用)フレスタパンフ(仮称)」の作成を進めます。
非正規の処遇改善
2020年4月よりパートタイム有期雇用労働法が施行され、正規と非正規労働者の間の不合理な待遇格差が禁止され、日赤の職場でも処遇格差是正が少しずつ前進しています。引き続き最高裁判決で不支給が不合理とされた「住居手当」「扶養手当」など支給されるよう処遇改善を追及します。
良い看護のために増員を
患者・利用者が良い看護を受けることができ、私たちが働き続けることのできる勤務体制を確立するためには増員が不可欠です。そのためにも、各勤務の人数や有給休暇も含めた休日の消化、スタッフの急な休みに対するフォロー体制も含めた職場ごとの必要人数をだし、具体的な増員要求をおこないます。
夜勤改善の実現
夜勤が及ぼす労働者への有害性と同時に、患者・利用者への安全への影響もアピールし、夜勤改善の世論を広げながら、労働条件の改善と労働の質の向上に向けて、「労働時間を週32時間以内」や「夜勤のための勤務免除など実質的な時短」や「インターバルの確保」など夜勤改善と「夜勤回数は月6日(当面8日)」の夜勤協定の締結に向け奮闘します。
とりもどそう看護のこころ
看護とは、「息をする、食べる、眠る、トイレに行く、体をきれいにする」など他人がこれを代行できない営みの援助をすることです。今こそ、看護の原点に返る必要があります。「患者にとって良い看護とは何か」を追求していきます。看護師に特定行為を強要しないこと等を施設に要求します。
また、看護師と看護補助者、介護福祉士との「協働」に向けて業務区分の検討を進めます。
安全で安心できる医療・看護・介護・福祉の実現を
(1)憲法25条の形骸化を許さず、社会保障の削減から拡充への転換を迫る運動をすすめます。(2)医療・介護の保険外しに反対し、患者・利用者の自己負担軽減とあわせ、診療報酬・介護報酬引き上げと処遇改善を求める取り組みを進めます。(3)医療提供体制の縮小再編成、「地域医療計画」、「医療費適正化計画」などによる実態を無視した病床削減に反対し、住民本位の保健・医療・介護・福祉のネットワークの確立をめざす運動に取り組みます。(4)国・自治体・公的病院の統廃合・民間移譲に反対し、国の責任による地域医療の拡充をめざす運動に取り組みます。
全日赤の組織をさらに大きく強く発展させよう
78回大会にて「第8次組織拡大強化2ヵ年計画」を策定し組織拡大強化推進委員を設置し、地方協ごとの重点単組への支援を意思統一しました。最終年度目標の具体的な取り組みとして「組合に入ろう週間(わくわく週間)」を秋と春に取り組みます。
単組では、「拡大リーダー(仮称)・(組織拡大責任者)」および「声かけ隊(仮称)(組織拡大担当者)」を中心に、地方協や各分野においても組織拡大に奮闘します。
次代を担う役員の育成、組織強化は、すべての単組・地方協に共通する緊急かつ重要な課題です。新たに役員になった組合員の学習の機会として、10月に開催する単組代表者会議にあわせて「新役員研修会」をおこないます。