機関紙「日赤労働者」
視座
賃金とは
賃金は、労働者に備わった「労働力」の対価です。人間に備わった「労働力」は、1日で消耗してしまい蓄えておくこともできません。消耗した「労働力」を再生産するには生活するための経費が必要です。
生活するためには、衣食住など生活に必要な物を手に入れる必要があります。また、余暇を過ごすための娯楽、交際費や医療費、教育費、老後の蓄えなども必要です。憲法25条で保障されている『健康で文化的な生活』をするためにはどのくらいの賃金が必要となるのでしょうか?
2023年の総務省「家計調査」によると、2人以上の勤労者世帯の消費支出は1カ月平均31万8800円で、支出の内訳をみると「食料」が最も高く、「交通・通信」、「教養娯楽」の順になっています。
全労連・国民春闘共闘の最低生計費試算調査では、最低賃金を全国一律で時給1500円にする必要性を示しました。
また、厚生労働省2023年度賃金構造基本統計調査によると全産業の平均所定内賃金は31万8300円ですが、看護師は30万7600円と1万700円の差があります。交代制、長時間勤務など体力的な負担、いのちを預かる責任の重さ、看護の専門性と役割の重要性に見合った賃金にさせることも必要です。