機関紙「日赤労働者」

実質的な賃上げを追求
要求実現には組織拡大が急務
単組地方協代表者会議

 全日赤は、4月21日に第2回単組地方協代表者会議をオンライン併用で開催し30単組56名(本部含む)が参加しました。

本部提案の討議

 3月27日の団交において本社は「賃上げ姿勢」を示しました。春闘期において賃上げ姿勢を示すのは24年ぶりのこととなります。今後、賃上げ率や実施時期の交渉となります。
 本部は、4月25日の統一行動を背景に23日に本社団交に臨むにあたって、春闘の経過、交渉の到達点および今後のたたかいについて「報告提案書」に沿って提案しました。また、団交や折衝の様子から、春闘期での賃金改定はないと判断し、指示にて提案した5月の第2回中央委員会の開催を取りやめることも報告しました。
 本部が提起したスト回避基準について意見を求め、本社回答について、中央執行委員会の責任においておこない、定期大会にて事後承認を得ることを意思統一しました。

全職員の実質賃上げ必要

 2024年診療報酬改定では、医療従事者の処遇改善のため『ベースアップ(ベア)評価料』が新設されました。ベア評価料は私たちの運動で勝ち取った労働組合の成果ですが、医療施設に限られるため、血液センターや県支部職員には波及しないものです。また、介護職員の処遇改善も介護職のみ対象で介護施設の事務など対象になりません。新賃金移行にて俸給調整給対象職員(現給保障対象者)は、俸給調整給以上の賃上げがなければ、実質的な賃上げにつながりません。全日赤は、全職員の実質的な賃上げを追求し、要求実現のため、組織拡大は急務であると意思統一しました。

参加者からの意見

 会議に参加した参加者からは「施設側もベア評価料加算を気にしている。人勧出るまで加算も取れないのか」「ベア評価料は医療施設のみ対象なので、賃上げ交渉とは別に追及すべき」「今年の診療報酬の改定の資料がほしい」との意見が出されました。また、一時金については「ブロック統制が強く、団交で『施設に権限はない』と回答した。一時金交渉はどうしたらいいのか」「管理病院の一時金は、基本額のみ。施設への財政支援を追及してほしい」との意見が出されました。
 他には、薬剤師確保の観点から初任給の引き上げや確保手当の新設、資格手当、休憩時間や時間外労働、年休などの賃金・労働条件の課題もだされました。また、勤務評定では、「学会発表や資格取得で評価されるが、通常業務では評価されない。評価基準に日々のがんばりはない」「Rプランに意味があるのか」など出され、翌日の本社要請で実態を訴えることにしました。

賃上げ・労働条件改善で本社社前集会と要請行動

切実な現場の声を訴える

 全日赤は、4月22日、本社前集会および本社要請行動をおこない、13単組本部役員含め23名が参加し、日本医労連3名が激励にかけつけました。冒頭、賃上げ署名を提出し、参加者から賃上げ・賃金改善、勤務評定反対、労働条件などを訴えました。

参加者の発言要旨(抜粋)

大幅賃上げ・賃金改善を

 「現給保障対象者は3月の賃上げや定期昇給あっても関係ない」「再雇用で賃金も手当も下がるのに、業務は変わらずモチベーションが下がっている」「ガソリン代も高騰。田舎は車通勤しかない。通勤手当の改善を」「世間は賃上げなのに管理病院の一時金の基本額のみ。基本額の上積みと財政支援を」

勤務評定で人手不足に拍車

 「退職者の補充を新人でしている。PNSなのに先輩1人に2人の新人では指導もままならない」「Rプランが入り、中堅層が退職した。欠員が続き、時短者が出勤するまで複数のピッチを持ち対応している。なんのための評価なのか。」「昼休憩も取れず業務が続く。休憩とれずの時間外手当の申請できない」「献血ドナーが多く、『休憩をとらず対応するように』との指示がきた」

本社の態度

 本社は「職場の実態を聞いた。個別事案は折衝等で聞きたい。明日も団交あるが、しっかりと誠実に対応していきたい」とコメントしました。

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