機関紙「日赤労働者」
春闘学習会
2月4日から5日、全日赤2024年春闘学習会(Web併用)を開催し、21単組本部含め43名が参加しました。
第1講義
労働力エネルギーの再生産
「文化的な生活を送るために必要な賃金」
第1講義は「文化的な生活を送るために必要な賃金とは」と題し岡山県学習協会の長久啓太さんの講義でした。講義の前に『満足の輪(文化的な生活編)』の交流をおこないました。「お金のゆとり」や「芸術文化に親しむ」など8項目を5段階で自己評価し、ペアになって互いの評価を質問し交流しました。その後、「文化的な生活とは?」から講義が始まり、日本国憲法の中で唯一「文化」がでてくるのは25条で、人生(生活)の質を問うカギが人権と説明されました。また、生活から賃金を考えると、毎日、労働力エネルギーを再生産させる必要があること、人間らしい生活こそが、労働力エネルギーの再生産不可欠と話されました。
また、賃金や労働条件を交渉できるのは労働組合だけであり、職場だけの狭いたたかいでなく社会的な力関係も影響すると説明され、私たちが守る「一線」は、憲法25条「健康で文化的な生活」、労基法1条「人たるに値する生活」で「尊厳ある生活」から賃金を捉えることを強調されました。
講義の後は、5つのグループに分かれて感想交流などしました。参加者からは「雑談も重要。挨拶からしていく」「久しぶりの集合会議で、面と向かって話し合うことの大事さを再認識した」など、感じたことを共有しました。
第2講義
同性パートナーシップ制度
「誰もが働きやすい職場を目指して」
第2講義は「誰もが働きやすい職場を目指して~同性パートナーシップ制度と人権~」と題し、東京法律事務所の青龍美和子弁護士の講義でした。4月から日赤で実施される「同性パートナーシップ等の社内取扱い」について、新しい制度をどう活用するのか、気をつけるポイントや他の企業での制度内容、LGBTQ+の知っておきたい知識などを話していただきました。日本におけるLGBTQ+の割合は5~8%で少なくなく、差別や困難を抱えていること、トランスジェンダーにバッシングもあり、マジョリティの視点で問題を捉えているのではないかと指摘されました。
参加者の「アウティングの罰則規定が必要なのでは?」との質問に「アウティングを防止する措置は必要だが、アウティングはハラスメント行為と捉えてよい、人権を侵害する行為である」と、ズバッと回答されました。また、「制度は画期的であるが、カミングアウトありきになるのでは?結婚休暇は勤務表で慶が付くので周りのスタッフもわかる」「通称を使う場合の診断書の署名は戸籍名でないとダメなのか」などの課題を共有しました。今後もLGBTQ+をはじめ人権への理解と学習を深め、不都合なことを洗い出し、当事者の意見をききながら制度が活用できるようにしていくことを参加者で確認しました。