機関紙「日赤労働者」

2024春闘要求アンケート
賃上げ要求、増額
9割以上「疲れている」

 2024年春闘での要求アンケートは、24単組761名分(昨年17単組632名分)を集約しました。職場の不満では、昨年同様「人員が少ない」がトップとなり、賃金の要求額も昨年よりも増えた結果を示しています。

増員・賃金要求がトップ

 職場の不満に関する問のトップ3は1位が「人員が少ない」(18・7%)で一番多く、次いで「賃金が安い」(18・5%)で、三番目が「休日取れない」(8・6%)となりました。有効回答数から再計算すると「人員が少ない」(43・8%)、「賃金が安い」(43・4%)、「休みが取れない」(20・1%)になります。
 また、昨年より割合が増えたのは、「経営状態が悪い」、「夜勤が多い」、「ノルマがきつい」、「健康守れない」、「教育制度悪い」などでした。

50歳代「苦しい」生活実態

 生活実態では、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせた「苦しい」と答えた人は、昨年より4・2ポイント増加し、49・6%となりました。
 年齢別で見ると「苦しい」と答える割合は、年代があがるとともに高割合になっています。また収入が「増えた」は若年層ほど高くなっています。50年代までのトップ回答は「変わらない」で5割弱ですが、60代は「減った」が51・2%と回答しています。

住宅費・学費が負担

 『生活実感』から負担に感じているものは、全体で「税・社会保障」が一番多く、次いで、「食費」、「学費」、「住居費」、となっています。また、「交通費」、「奨学金の返済」が昨年よりポイントが上がっています。

不足感5万弱

 「賃金の不足感」では昨年より平均440円減少し、4万8558円となりましたが、賃上げ要求額は昨年より2047円増加した、平均3万1510円となりました。要求額の平均は、多少変動があるものの昨年と同じように不足額4万円台、要求額3万円強の数字となりました。
 要求額は切り上げて誰でも3万2千円の賃上げを要求し、併せて日赤の賃金体系が医労連の要求から見て下回ることから、体系是正含め4万以上円を要求としました。

「とても疲れてる」増加

 身体の疲れに関しては、昨年同様「とても疲れてる」「やや疲れてる」を合わせて9割以上(97・4%)が「疲れている」と答えています。

残業時間
サービス残業増加

 平均残業時間は、12時間52分で昨年より1時間15分増加しています。
 またサービス残業も平均3時間26分で昨年より28分増加しています。平均のサービス残業時間を平均残業時間で割った「サービス残業率」は、26・7%で昨年より1・1ポイント悪化しています。月3時間26分のサービスを賃金に換算すると日赤全体の平均俸給額から計算して月額約7702円になり、日赤全体で約4・5億円にもなります。

時間外手当請求しづらい
「周囲」と「能力」

 時間外手当は、約8割の人が「請求できない」状況です。その理由で一番多いのは、昨年と同様に「周りがみなんしていない」(37%)で、次いで「自分の能力の問題」26%でした。
 また時間外請求しない時間帯として、始業前の6割弱、休憩時間帯では4割が請求しないことが「よくある」と答えています。

年休

 年休取得の設問は、今回は、付与日数と取得日数の調査をしました。取得日数を付与日数で割った取得率は表の通りです。どの年代でも職種でも付与日数の2割から3割弱程度しか取得できない実態ですが、「付与日数も取得日数がわからない」の回答は若年層になるほど増え、全体でも4割に上ります。
 請求しない理由は、「職場に迷惑がかかる」、「みんなが請求していない」、「休み希望をするので年休を請求しない」が高くなっています。
 年休は労働者の権利であり、増員と請求しやすい雰囲気作りを広げる必要があります。

ハラスメント増加

 「職場・施設にハラスメントがある」と答えたのが67%で昨年より0・8ポイント高くなっています。相談窓口は、「施設の指定された窓口」27・3%と多いのですが、「どこに相談すればいいのかわからない」が15・8%、「労働組合」と「個人的に第三者機関」が8・9%となっています。

勤務評定

 「勤務評定は医療・福祉に必要か」は、31・5%が「わからない」との回答ですが、54・8%が「不必要」と回答し、「必要」の13・7%を大きく上回りました。職種別では「介護職」の4割弱が「必要」と回答しています。「勤務評定は日赤に必要か」は。48・2%が「不必要」と回答し、「必要」は、10・4%で、「わからない」の回答は、41・4%でした。

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