機関紙「日赤労働者」

賃上げ遡及を含め強く要求
働きぶりを見ず、人員確保もできず
本社団交

世間は賃上げ

 本社が、世間並みの指標としている人事院勧告は、「3869円、0・96%」の民間格差があるとして、「高卒初任給を1万2000円、大卒初任給を1万1000円(医療職(三)表の高卒後3年課程修了看護師初任給を1万3900円、福祉職初任給を1万2800円の引きあげ)それぞれ引き上げ、俸給表全体の改定と一時金0・1ヵ月引き上げ」をおこなうよう勧告しています。

コロナ補助金で黒字を強調

本社からの申し入れにより8月1日に(1)一般会計および福祉施設特別会計、(2)血液事業特別会計、(3)医療施設特別会計について説明を受けました。一般会計44億円の増額、福祉施設特会42・3億円の黒字、血液事業特会21億円の黒字、医療特会695億円の黒字の報告でした。本社は、「医療収支は、486億円の赤字。コロナ補助金があって黒字になっている。将来の見通しは厳しい。外来患者数は戻りつつあるが1割減った入院患者数が戻っていない。高齢者の救急搬送が増えており、地域における医療ニーズに対応する必要があるため本社として補助金継続と診療報酬改定を他団体とともに国に要請している」と説明しました。

賃上げ回答するも来年3月実施を提案

 9月7日本社団交で、本社は2023年度賃金の引き上げ回答をしましたが、実施は来年3月と不誠実なものでした。
 全日赤は、「賃上げ回答は評価するが、退職者も増え、職場は疲弊している。職員の働きぶりを見ていない。実施時期が来年3月であることも納得できない」と追及しました。本社は「水光熱費や材料費の高騰もあり各事業の経営は厳しく、先行きは不透明である。職員処遇は世間並みを確保するため、踏ん張って年度内の改定を提示した」と回答。全日赤は「現給保障対象者は定昇もなく、物価上昇すら追いついていない。現場では採用予定人数も確保できず、マイナス人員のなか働いている。賃上げは今年4月実施が当たり前であり、遡及も含め再考を強く求める」と主張ました。
 また全日赤が、経営安定と賃上げのために取り組んでいる診療報酬改定の団体署名への協力を再度求めました。
 そして、勤務評定の撤廃を強く求め、一時金への勤務評定の結果反映も断固反対であると表明しました。

手当勉強会10月実施

 全日赤が要求している薬剤師確保手当の新設、人工透析作業手当の新設、通勤手当の改善、非正規の手当改善の要求について、本社は「10月10日の意見交換の場も踏まえて、協議をしていく」と回答しました。

後日、 本社提案する

 また、本社は、非正規の処遇と同性パートナーシップについて、「今日の時点での回答はないが、近いうちに、本社提案をおこなう」と回答しました。

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