機関紙「日赤労働者」

勤務評定撤廃、働くルールの確立のため組織拡大強化を!!
全日赤第77回定期全国大会議案(抜粋)

 全日赤第77回定期全国大会は、7月8日(土)から9日(日)にかけて、新横浜フジビューホテルにて一部オンラインも併用して開催されます。各単組へは既に招請状を送付し、議案書も単組の必要部数を送付しますが、ここに大会議案の概要を掲載し、議案討議を呼びかけます。

はじめに

 2022年度は、勤務評定を除き合意した2023年4月1日から施行される新賃金に対して、新たに要求するとともに勤務評定廃止を追及してきました。昇格基準が廃止されるなか、全日赤の追及により大卒9年を目処にG/P2へ昇格することを約束させ、9月の団交でG/P2への昇格に関する「基準号俸」を協定化し、4月新賃金への切換に関しても「基準号俸」の俸給月額を3月賃金が超えている職員はG/P2に格付けることを約束させました。
 またコロナ感染症が5類に引き下げられたのに併せてコロナ手当の廃止も、全日赤は協定を活かし5月からの廃止を許さず、6月末廃止提案も反対で交渉中です。

勤務評定は実施させない

 本社から期末勤勉手当への勤務評定反映の具体的な方法について提案されましたが、全日赤は勤務評定を認めておらず、それを一時金に反映させることは断固反対です。
 勤務評定が公正で公平な評価とならないことを報せながら一時金への反映についても制度上の矛盾を追及し、署名など施設内世論の力で導入を阻止します。

グレード決定の基準追及

 新賃金制度の内容を周知するため本部では「新賃金への移行に関する説明」動画を作成しユーチューブでの限定配信を予定します。
 単組では、組合員の格付けを聞き取り、G/P2への昇格に関する「基準号俸」の俸給月額を上回っているにもかかわらずG/P1の組合員がいないか調査し、もし存在するのであれば施設に説明を求めます。
 またG/P3の格付けについても、引き続き基準を示すよう追及し、今後の昇格に関する要求実現に向けての交渉につなげます。

働きつづけられる賃金を

 引き続き「物価上昇を上回る大幅賃上げと賃金改善を求める」職員・家族署名の取り組みを強化し、目標の4万筆を目指します。併せて「賃上げ必要」の施設内世論を高めるとともに、「昇格基準の設定」や「枠外昇給」の復活など新賃金制度の改善要求の意思統一を図るため、本部は「賃金改善要求ビラ」を用意します。
 単組では、組織拡大強化の課題と併せて、賃金課題で宣伝を強化します。
 また、経営悪化を理由とする賃金引き下げを許さず、政府に向かって診療報酬の改定など増収のための運動を起こすよう追及します。具体的には、春闘段階から取り組んできた「診療報酬・介護報酬の緊急改定を求める団体署名」への協力を施設に求めます。

一時金闘争

 一時金闘争の基本的なたたかい方は、次のとおり。
 (1)春闘時期に、本部本社間の交渉により一時金の「基本額(最低保障額)」として年間の支給月数等を決定します。
 (2)夏期交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、夏の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
 (3)秋年末交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、年末の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
 (4)「一律の支給」を追及するための意思統一が必要であり、本部は学習資料を用意します。

サービス残業は一掃

 労基法に定められた36協定の上限規制を守らせる運動を締結時および締結後も追及します。また厚労省が出した「労働時間の適正把握のガイドライン」を活用し、始業前の情報収集や会議・研修が業務であることの確認を迫るとともに、「不適切事例」を用いた指導強化を追及します。併せて職場では「ガイドライン」の内容を学習しながら時間外手当の請求運動を増員闘争と位置づけ取り組みを強化します。

労働者代表を勝ち取る

 使用者は36協定を結ばずに時間外労働をさせると労基法違反となり罰せられます。そこで、過半数を組織していない単組の施設では、使用者側が組合以外の労働者代表を選出して、施設側に都合の良い36協定を結ぼうとする動きがあります。
 単組では、全日赤の「労働者代表のてびき」や「36協定のてびき」を活用し、労基法違反の追及と労働者代表の民主的な選出を追及するとともに、労働者代表を獲得するため奮闘します。

年休取得促進

 年休の付与基準日に10日以上の年次有給休暇(以下、年休)が与えられる労働者に対して、使用者が1年間に5日は時季を指定して年休を取得させることが義務化されています。
 本部は年休取得率向上を求めると共に、取得率の詳細なデータ提示を求め、政府が掲げる70%取得(日赤でいうと年間17日取得)を目標に施設指導するよう追及します。
 また本社が管理者向けに発出した『労務管理ハンドブック』にも記載されている年休に対する「あげる・いただく」の風潮を無くしながら、請求運動を展開し年休取得促進を図ります。単組では年休および権利休暇の取得は増員闘争と位置づけ追及を強めます。

育児休業

 2021年6月1日に育児介護休業法が改正をされ、この改正に伴い2022年4月から3段階にわけ施行されました。
 特徴的な内容は、(1)有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件(引き続き雇用された期間が1年以上の場合を撤廃)の緩和、(2)産後パパ育休(出生時育児休業)の創設、(3)育児休業の分割取得などです。
 日赤の育児休業規程も法改正に併せて、改定がおこなわれ、最初の申出は1歳で区切られ、その後「期間更新型」か「期間自由型」を選択しながら3歳まで取得できる制度に変わりました。
 全日赤は改定された育児休業規程の内容を「パパママパンフ」等を用いて宣伝強化を図るとともに、さらなる制度の充実を図るよう本社を追及します。

職場環境の改善

 すべての施設に「労働安全衛生委員会」を確立し、労働組合から積極的に委員として参加します。
 委員会では、ハラスメント対策を含む職場環境の改善や健康診断の充実と併せて、医師の長時間労働の改善や各職場の労働時間短縮と増員を結合して、実現を迫るとりくみを強化します。
 また、医労連パンフ「医療・福祉労働者が生き生きと働き続けられるために(安全衛生活動の手引き)」や厚労省パンフ「職場における心の健康づくり」なども活用して学習宣伝を強めます。併せて、同性パートナーシップに関して本社追及を強めます。

定年制・再雇用制度

 2023年4月より国家公務員の定年が60歳から61歳に引き上げられました。今後2年毎に1歳ずつ引き上げられ、2031年度に65歳となります。公務員準拠の本社の定年延長の動きを注視しながら全日赤の要求を策定する議論を始めます。
 また当面、退職金の改善と併せ再雇用職員の賃金改善を要求し本社を追及します。
 単組では、早期退職勧奨制度の優遇措置による特別退職金の支払いに関して施設追及をおこないます。
 本部は、退職や再雇用を希望する職員向けの「FRESH・START(退職再雇用)フレスタパンフ(仮称)」を作成します。

非正規の処遇改善

 2020年4月よりパートタイム有期雇用労働法が施行され、正規と非正規労働者の間の不合理な待遇格差が禁止され、処遇格差是正が少しずつ前進しています。
 最高裁判決で不支給が不合理とされた「住居手当」「扶養手当」など支給されるよう処遇改善を追及します。

良い看護のために増員を

 患者・利用者が良い看護を受けることができ、私たちが働き続けることのできる勤務態勢を確立するためには増員が不可欠です。
 そのためにも、各勤務の人数や有給休暇も含めた休日の消化、スタッフの急な休みに対するフォロー体制も含めた職場毎の必要人数をだし、具体的な増員要求をおこないます。

夜勤改善の実現

 夜勤が及ぼす労働者への有害性と同時に、患者・利用者への安全への影響もアピールし、夜勤改善の世論を広げます。
 労働条件の改善と労働の質の向上に向けて、「労働時間を週32時間以内」や「夜勤のための勤務免除など実質的な時短」や「インターバルの確保」など夜勤改善と「夜勤回数は月6日(当面8日)」の夜勤協定の締結にむけ奮闘します。

とりもどそう看護のこころ

 看護とは、「息をする、食べる、眠る、トイレに行く、体をきれいにする」など他人がこれを代行できない営みの援助をすることです。
 今こそ、看護の原点に返る必要があります。「患者にとって良い看護とは何か」を追求していきます。看護師に特定行為を強要しないこと等を施設に要求します。
 また看護師と看護助手の「協働」に向けて業務区分の検討を進めます。

安全で安心できる医療・看護・介護・福祉の実現を

 (1)憲法25条の形骸化を許さず、社会保障の削減から拡充への転換を迫る運動をすすめます。(2)医療・介護の保険外しに反対し、患者・利用者の自己負担軽減とあわせ、診療報酬・介護報酬引き上げと処遇改善を求める取り組みを進めます。(3)医療提供体制の縮小再編成、「地域医療計画」、「医療費適正化計画」などによる実態を無視した病床削減に反対し、住民本位の保健・医療・介護・福祉のネットワークの確立をめざす運動に取り組みます。(4)国・自治体・公的病院の統廃合・民間移譲に反対し、国の責任による地域医療の拡充をめざす運動に取り組みます。

全日赤の組織をさらに大きく強く発展させよう

 「第7次組織拡大強化4ヵ年計画」の教訓を踏まえて、今年度は年度目標を明確にし、地方協毎に「組織拡大推進担当者」を地方協役員として配置し、地方協内の組織拡大強化の推進に当たります。
 各地方協の取り組みを交流するため「地方協組織拡大強化担当者会議」を開催するとともに年2回の全体学習交流の場を設けます。

闘争日程について

 定期大会にて、2023年度統一要求を決定するとともにスト権を確立します。要求提出は8月1日を予定し、回答指定日は9月7日、翌日9月8日には統一ストライキを構えて、2023年度賃上げ要求と統一要求の実現を迫ります。

 

 

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