機関紙「日赤労働者」

危険な賃金格差制度
「魅力ある処遇」なりえない

 「誰かに褒めてほしい」という承認欲求は、誰もが持っている自然な欲求であり、個々の知識やスキルの向上は、組織の発展につながります。しかし、労働者が望む評価は「絶対評価(他の人と比べることなく、定められた基準に基づいて評価をおこなう)」であって、順位を付けるような「相対評価」ではありません。
 勤務評定による賃金制度(成果主義賃金)は、チームワークで力を合わせて患者や利用者のための医療・看護・福祉をおこなっている職員間に賃金格差を持ち込み、チームワークを壊すものであり、労働者にとって「魅力ある処遇」にはなりえないことは明らかです。
 4月1日から実施された「新たな給与制度」は、昨年度までの一定のルールに従って昇格する「昇格基準」は廃止され、勤務評定の結果で昇格する制度となります。今までのように個々の賃金がルールに従って正しく支払われているかはチェックできなくなり、「勤務評定の結果」というブラックボックスのなかで決まるので、個々の賃金は、「評価を表すもの」と考え、他人に隠すようになることが懸念されます。
 こうして労働者を分断することで、使用者の意のままに働かせようとする危険な制度と言えます。全日赤は勤務評定を廃止するよう求めています。

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