機関紙「日赤労働者」

視座
労働組合が政治的課題に取り組む理由

 「労働組合は、様々な政党を支持している組合員がいるので、政治的な主張や運動は行わず、経営者と賃金・労働条件の交渉を主に行うべきである」との意見を聞くことがあります。全日赤はそうは考えません。労働組合は組合員の要求実現のために結集している組織であり、要求実現に向けて団体交渉やストライキなど運動方針を決定し、様々な活動を行います。
 経営者に賃金・労働条件の改善を追及するだけでは解決できない要求があります。私たち労働者にとって政治を抜きに生活や労働はできません。賃上げを勝ち取ったとしても増税や社会保険料が引き上がれば生活は楽になりません。
 医療制度や福祉制度は、国の制度(法律など)を深く結びついているので、将来どのような社会保障制度をつくっていくのか、国会で決まります。また平和であってこそ良い医療・良い看護が実戦できるものであり、平和と民主主義を壊そうとする政府に対しては、断固阻止するために政治に関わる運動をしなければなりません。
 そのため、私たちは医療従事者として、国民の一人として政治に関心を持ち、国会議員に働きかけ、よい制度をつくらせるよう奮闘します。
 全日赤は政治活動の自由・選挙活動の自由を保障すると共に、国民本位の政治の実現にむけて国と地方自治体の政治革新をめざします。また、2023年は統一地方選挙の年であり、地方政治の局面でも、私たちの要求実現に結びつく政治革新を求め、運動をすすめるとともに、自治体首長選挙については、全日赤の要求と一致する団体の推薦する候補を支持してたたかいます。一方で、自民党の政治団体である看護連盟への支持や選挙活動を上司が部下に指示する等は、個人の選挙の自由を侵す「企業ぐるみ(病院ぐるみ)選挙」であり、許されません。

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