機関紙「日赤労働者」
評定者と調整者の範囲が不均等
本社提案の勤務評定において「誰が誰を評価するのか」について、施設毎に俸給表・グレード別に評定者、調整者および実施権者を設定しています。
事務部門の各課の職員数と看護部の病棟や外来に配属されている職員数では違いがあります。被評定者の人数が多くなるほど、目が届かなくなり、評定者が公正・公平に評価しようとすると部下の多い課長の負担は大きくなります。また調整者である部長はさらに多くの職員の評価をすることになり、職員の日頃の働きぶりを評価できるか疑問です。
電気・ボイラー、調理師など一般職(二)表の俸給表では、課長職はなく一般職(一)など職種が違う上司に評価されることになります。
血液センターの看護師も採血課長が評定者ですし、調整者は事業推進部長等になっています。各ルームで働く職員の評価が出来るのでしょうか?
乳児院や保育園には課長が存在せず、評定者も調整者も実施権者の院長・園長が担うことになります。院長・園長1人の評価基準で評価することになると評定誤差も起きやすくなります。
本社提案でも「面談で確認できない活動や評価事実」があることを認めており、その対処法として「被評定者と日頃業務をおこなう評価補助者(サブ評定者)から評価事実をヒアリングすることもできることとし、評価の公平性や公正性を担保する。サブ評定者は、原則として被評定者の上位者とする」としています。一般の職員に対するサブ評定者は係長になるものと思われますが、管理・監督者でない「職能の開発段階にある」職員で評価研修も受けていない職員から意見を聞くことは、サブ評定者の主観が入りやすく評定誤差が大きくなる可能性があると言わざるを得ません。
評定者が評価する人数に違いがあることからも本社が提案している勤務評定は、公平とは言えないものです。