全日赤とは
全日赤は、正式名称を全日本赤十字労働組合連合会といって、北海道から沖縄まで全国の日赤施設(病院・血液センター・乳児院や保育所などの社会福祉施設)に働く労働者で構成されている労働組合です。1946年に結成され、日本で唯一の医療産別労働組合である日本医療労働組合連合会(日本医労連・17万4千人)に加盟しています。本部は東京の台東区入谷にあり、全国の58の単位組合、5600名の組合員によって構成されています。
労働組合って、なんでしょう?
働くものの権利を守り、賃金・労働条件の改善をめざして切実な要求を実現していくのが労働組合の役割です。さらに、何ものにも代えることのできない大切な人の命を預かる医療の労働組合の役割として、だれもが安心して医療・看護を受けられるようにするための運動があります。
日本国憲法第28条には、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」とあります。この条項に基づいて「労働組合法」などの法律がつくられています。労働組合は、法律によって保護されているのです。
また、「労働基準法」第2条には「労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定されるべきものである」とあります。この「対等の立場」を文字どおり保障するのが労働組合です。働くものは、たった一人では弱いものです。「数は力」と言われるように、みんなが組合に集まって団結することによって、初めて大きな力を発揮することができます。
もしも、労働組合がなかったら?
私たちは、自らの賃金・労働条件の向上はもとより、患者さんが安心して医療・看護を受けられることをめざして運動しています。
私たちが何の問題意識も持つことなく、ただ言われるがままに働いていたら、過酷な労働条件を強いられることが常態化する可能性が高く、ひいては患者さんへのしわ寄せも一段と強まるでしょう。
今日ある労働条件は、一朝一夕にできあがったものではなく、先輩たちが長い時間をかけて労働組合運動の歴史のなかで一つひとつ改善してきたものばかりです。
実際に、労働組合では、なにをするの?
「みんなで決めて、みんなで行動」そして「組合員が主人公」これが労働組合運動の基本です。そのためにも職場での話し合い(職場集会・職場討議)をしっかりと行うことが大切です。また、労働組合の要求や方針、予算(会計報告も含め)を決める大会があります。
日常の活動として、組合ニュースの配布や学習会などがあります。時には、要求を実現していくためにストライキ(患者さんの安全を確保するために保安態勢をとります)や決起集会などの行動もあります。
労働組合は、その自主性を確保するために、経営者から経費援助を受けることが法律で禁止されています。そのため、自前で活動資金をつくらなければなりません。ビラやニュースを出したりするのにもお金がかかります。会議に参加するための交通費や宿泊費、また、組合専従者の人件費も必要です。このように労働組合を維持し、活動を保障するために、組合員は毎月決められた額を組合費として支払います。
大切な組合費の使い道(予算)や、使われ方(決算)は、毎年、定期大会で報告・提案して組合員の承認を受けています。また、決算については公認会計士らによる監査を受け、組合員の皆さんから集められた組合費が予算に基づいて適正に使われていることを厳格にチェックしています。
みなさんの組合加入を、心から呼びかけます
労働組合の存在を端的に表現する言葉のひとつに「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というのがあります。一人ひとりの力を寄せ合うことによって、仲間の利益を守り、そして、自分の身が守れます。「労働金庫」や「医労連共済」などは、組合員しか利用できません。また、組合は堅苦しい交渉ばかりやっているのではなく、楽しいレクレーションや医療・看護について学ぶ機会もたくさんあります。
私は「労働者なら労働組合に入るのは、当たり前」と常に思っています。でも現実には、入っていない人もたくさんいます。要は、その人がどういう生き方・働き方をするのかということではないでしょうか。
「毎日いきいきと明るい職場で働きたい、そして医療労働者として自分自身の健康も守りながら患者さんから喜ばれる仕事をしたい」そういう思いを実現していくのが労働組合です。数は力です。みなさんも、ぜひ、全日赤に加入してください。組合員一同、みなさんの加入を心からお待ちしています。
(2021年10月28日)